2025年4月26日放送 2:15 - 2:30 NHK総合

漫画家イエナガの複雑社会を超定義
M&Aが僕らの人生を一変させちゃうかも?の巻

出演者
橋本マナミ 町田啓太 
(漫画家イエナガの複雑社会を超定義)
M&Aが僕らの人生を一変させちゃうかも!?の巻

昨年10月、アメリカの実業家イーロン・マスクがTwitterを買収した。これはM&A(Mergers & Acquisitions=合併&買収)と呼ばれる経営戦略。2021年には世界のM&Aは約6万2,000件あり、総額は過去最高の700兆円以上を記録した。日本でもM&Aの件数は増加している。今回はそんな「M&A」について特集する。

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Googleはこれまでに240以上の企業をM&Aしてきた。これは、創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが、世界中の情報を整理し誰もが便利に利用できる世界を目指してきたため。この途方もない目的を達成する過程で、スマホOS「Android」や地図情報サービス「Google Map」などを生み出してきた他、ウェブブラウザやクラウド事業も強化してきたが、これらはすべてM&Aをしたからこそできたこと。M&Aの「合併」には吸収合併(ある会社が他の会社の資産や負債を全て引き継ぐ)と新設合併(新たな会社を設立する)が、買収には株式譲渡(株主が他社に株式を売却する)が一般的だが、株式交換や会社の一部の事業譲渡などの形もある。かつてGoogleがYouTubeを買収した際に使われたのは株式譲渡という方式だったが、Googleは買収前にデューデリジェンス(企業の財務・法務・事業について、買収にふさわしい企業か調査すること)を行った。当時のYouTubeは資金や利益が少なかったため。GoogleはYouTube買収後、視聴履歴から動画をオススメする機能を追加するなどしてユーザーの視聴時間を増やすことに成功した。Googleではこのほかにも、2018年にHTCのスマホ事業を買収し自社のスマホ事業を強化するなど積極的にM&Aを活用している。GoogleのM&Aは、新市場を形成して寡占するという点で、成熟した市場の中で寡占する従来型のM&Aとは異なっている。他社の技術をいかして新製品・サービスの開発スピードを上げることや、事業を結合することでイノベーションを起こすという狙いがある。

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ハゲタカファンドとは、破綻寸前の企業を安値で買収し、再建後に売却する投資ファンドのこと。かつて日本長期信用銀行をわずか10億円で買収したリップルウッドは、1200億円を出資し新生銀行として再建させ、再上場後に株式を売却し5000億円を手に入れた。敵対的買収から企業が身を守る手段としては、ゴールデンパラシュート(経営陣が解任されたときに多額の退職金を支払う契約を結び、買収コストを上げることで敵対的買収を防ぐ)、ポイズンピル(既存の株主に新たに株式を発行し、経営権獲得を難しくすることで敵対的買収を防ぐ)などがある。M&Aは日本経済を救う手段としても注目されている。昨今、日本企業では中小企業の後継者不足による黒字廃業も多いが、社長の平均年齢が上昇しており、数年後には大廃業時代が来るとも言われている。おととし国は、中小M&A推進計画を策定した。今後は官民一体となって中小企業の貴重な経営資源を将来に繋いでいこうとしている。M&Aのマッチングサービスも登場しており、個人がM&Aを行うことも多くなっている。しかし、個人が経営に関するノウハウがない状態で安易にM&Aを行うと、事業に失敗し多額の借金を背負ってしまう危険性もある。一人ひとりが経済や経営に対する知識や考え方を主体的に学ぶ姿勢を持つことがこれからの社会を生きる上で重要になっていくのかもしれない。

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