2025年2月11日放送 4:05 - 4:15 NHK総合

視点・論点
全ゲノム解析が明かす日本人の遺伝的起源

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(視点・論点)
全ゲノム解析が明かす日本人の遺伝的起源

3000人以上の日本人のゲノムを解析した結果、日本人特有のまれな遺伝的多型・遺伝子の機能が欠けている多型が発見された。 多型とは同じ遺伝子の人によって異なる僅かなバリエーションを意味する。遺伝子の機能が欠けている多型の日本人が生きているとということは少なくともこの遺伝子はヒトが生存するために必須のものではないとわかる。また日本人の集団内での遺伝的な違いも見えてきた。従来、沖縄と本土では遺伝的特徴が異なることは分かっている。本土内ではほぼ同じ遺伝的特徴を持っている人が多いとされていた。今回、詳しく調べると本土内でも遺伝的な違いが細かく見えてきた。例えば住んでいる地域によって遺伝的偏りが明確に現れ東北の人たちは複雑な遺伝的背景が混ざり合っていることが分かった。詳しく解析すると大きく3つの遺伝構造からなっていることがみえてきた。沖縄、東北、近畿・西日本からみられる構造の3つ。東に行けば行くほど遺伝的特徴が強く観られる。これまで日本人の遺伝構造は縄文系・弥生系といわれてきた。縄文系は沖縄の人たちに色濃く受け継がれていると報告されている。地域によって縄文系の比率は異なり沖縄で最も多く28.5%、関西が最も低く13.4%だった。弥生系は中国大陸から移ってきた人たちと考えられていて、西日本に行くほど影響が強いと考えられている。東北の人たちに多く見られる遺伝構造は古代沖縄・宮古島の人、古代朝鮮人、縄文人ともある程度遺伝的に近いことが分かった。遺伝的多型について興味深い可能性が明らかになった。BRCA1遺伝子に日本人特有のまれな多型が東日本に多いとされていたが、今回の解析で主に東北の人たちがその多型を持っていることが分かった。つまりBRCA1遺伝子は東北が起源の可能性がある。遺伝的多型がどれだけ長い間、維持されてきたかがわかる。その結果、MHC遺伝子群とアルコール代謝による2つの遺伝子が長い間、維持されてきたことがわかった。日本人の遺伝子の中にネアンデルタール人やデニソワ人から受け継いだ遺伝子が分かった。そして受け継いだ遺伝子が思いの外多いこと、遺伝的多型が特定の病気や体の特徴に関係する場合もある

(エンディング)
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