- 出演者
- 合原明子 小谷みどり
東京・葛飾区にある墓地に先週、墓に眠る故人の親族が集まった。行ったのは今ある墓を片付けるいわゆる墓じまい。少子高齢化が進む首都圏で今、墓じまいをする人が増えている。しかし、代々受け継がれてきたものだけに多くの困難に直面するという現実が。
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- 葛飾区(東京)
オープニング映像。
墓じまいなどで墓から取り出した遺骨を別の場所に移す改葬は15万1076件で、この10年で2倍近くに増えている。NHKでは夕方のニュース番組で人生のしまい方について特集してきたが、この墓じまいについて多くの声が寄せられた。
墓じまいをしたいが思うように進まない。声を寄せてくれた男性。横浜市で木工製品の職人として働いている。男性の先祖代々の墓があるのは父親のふるさとでもある愛媛県。奈良県に住む父親は就職を機にふるさとを離れた後も墓の管理を担ってきた。ところが5年ほど前、父親の体調が悪化。男性は父親に代わって愛媛県まで通うようになった。遠方に墓参りに出向く負担は大きく、男性は父親に墓じまいをしようと相談。すると父親から自分が住む奈良に墓を移して世話をしたいと言われ戸惑ったという。1年にわたる話し合いの末に家族の気持ちはまとまり、墓じまいをして永滞供養することにした。しかし、いざ実行に移そうとすると先祖の多くが土葬されていることが判明。寺の住職から遺骨を掘り出すのは簡単ではないと言われた。思わぬ費用負担に直面したという自らの体験を寄せてくれた人もいる。千葉県に暮らす女性は3年前に亡くなった母親から三重県にある墓の管理を頼まれた。しかし一人っ子で子供もいないため墓じまいを決断した。ところが、いざ先祖代々の墓を訪れてみると三重県にあったのは13代の親族が眠っているという40もの墓石。全てを永滞供養してもらうと費用は数千万円に上ると心配している。今、女性は費用の負担が軽い海洋散骨を検討している。
お墓など弔い方の変化を研究している小谷みどりさんと取材に当たった木原記者と伝えていく。首都圏には地方にお墓を残して移り住んでいる人が多くいるので墓の管理は多くの人が悩んでいる。お墓参り代行サービス、ふるさと納税に言及。墓じまいにかかるお金(仏教の場合)を紹介。
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- 鵜飼秀徳
都内で墓や供養に関する相談に乗っているNPO法人で最近増えているのが不明瞭な費用をめぐる相談。70代の男性は寺に墓じまいをしたいと伝えたところ離檀料という名目で500万円を求められたという。離檀料とは謝礼として納めることがあるお伏せだが近年、高額を要求されるケースが目立っている。墓じまいには行政への届出が必要で墓の管理者である寺などに書類を書いてもらう必要がある。そのため疑問に思いながらも応じてしまうケースが少なくないという。
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- 台東区(東京)
住職でジャーナリストの鵜飼秀徳さんによると、こうした高額な離檀料を要求するケースは実際にあるものの、あくまで一部だという。国民生活センターも注意を呼びかけており、離檀料に明確な基準はなく金額に納得がいかない場合は基本的には寺などと話し合うことになる。わからないことがあれば住んでいる自治体の消費生活センター、消費者ホットライン188などに相談してほしいとしている。合葬墓は親族による管理が不要で継承者も必要も必要なく費用が比較的安いことが人気の理由。1都3県の人口10万人以上の自治体にアンケート調査をしたところ、20年前に9つだった公営の合葬墓が今4倍に増えていて、36施設になっていることが分かった。
都内に住む夫婦。夫は5年前に父親を、4年前に母親を亡くした。選択したのは墓ではない新しい弔い方。両親の遺骨を自宅に置ける形にして残した。定額制で移動も可能な墓のサブスクサービスも登場。全国44の寺と提携し、引越しや代替わりの際に移動が可能。初期費用と毎月定額の費用で13回忌までの法要と維持管理がついてくる。このサービスを利用している親子。20代の一人息子は転勤のある会社で働いており将来のことも考えて利用を決めたという。
これからの弔いのあり方を考えるキーワードとしてシニア生活文化研究所代表理事・小谷みどりさんが挙げているのが「墓の社会化」。台北市は公営墓地に誰でも無料で納骨できる区画を提供している。その代わり墓石も建てられないし名前も書くことができない。
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