2024年8月23日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
地域の祭りが危機に!? “夏の風物詩”をどう守る

出演者
合原明子 加藤優子 DJ KOO 
(オープニング)
中止相次ぐ首都圏の祭り・花火大会 “夏の風物詩”をどう守る

今、首都圏の祭りが次々となくなっている。なぜかというと担い手の高齢化が進んでいたり、安全を確保するのが難しかったりしている。どうすれば祭りを守れるのか。地域の人たちがゼロから立ち上げた祭りにヒントが隠されていた。

オープニング

オープニング映像が流れた。

地域の祭りが危機に!?“夏の風物詩”をどう守る
祭りを愛するDJ KOOさんと考える 地域の祭りをどう守る?

祭りを愛する日本の盛り上げ番長、DJ KOOと祭りの未来について考えていく。今年の夏、首都圏各地で少なくとも11の祭りや花火大会が中止となった。

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ウォーカープラス
首都圏の祭り・花火大会が次々中止に… 実は◯◯が原因?

毎年9月にJR目黒駅前で開かれていた「目黒のさんま祭り」。24年続いてきたこの祭りの名物は炭火焼きのさんま。7000匹が無料で振る舞われることで人気を集め、来場者はおよそ3万人を記録していた。ところが今年さんまを振る舞うイベントを中止せざるをえなくなった。行政への書類作成や当日の設営作業まですべて自分たちで行ってきた。転機となったのが新型コロナウイルスの感染拡大。それまでの、さんまの不漁に加え感染対策のためイベントは中止となった。祭りの実行委員長、中崎政和さんはコロナ禍が収まったあと、さんまを振る舞うイベントの再開を模索した。しかし、立ちはだかったのが運営メンバーの高齢化だった。メンバーの平均年齢は75歳。もう一度、イベントを立ち上げる気力は残されていなかった。今年はさんまを振る舞うイベントの代わりにさんまなどが当たる抽選会を行うことにしている。

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SARSコロナウイルス2サンマ目黒のさんま祭り目黒(東京)

祭りは開催するものの今年、花火の中止を決断したところもある。「入間川七夕まつり」の副実行委員長、綿貫好高さんに話を聞く。去年、コロナ禍で中止になっていた花火を4年ぶりに再開。すると、客が急増し、駅前が大混雑する事態に陥った。花火中止の理由の一つが警備費の問題だった。去年、警備の人件費は710万円。今年、仮に実施しようとすると要員の増加や人件費の高騰で費用が1.5倍程に膨らむ見込みとなった。もう一つの理由が花火の燃えかすの問題。これまで住宅に燃えかすが落ちることが問題視されてきた。そこで去年住宅地から離れたエリアに打ち上げ場所を変更。しかし、風向きの影響で別の住宅のエリアに燃えかすが落ち行政への苦情が相次いだ。今後、花火を再開するには警備費や燃えかすの問題を解決しなければならない。花火が中止になった今年の「入間川七夕まつり」。それでも祭りの魅力を伝えたいと奮闘している人がいた。50年以上、参加してきた商店街会長の吉田早苗さん。祭りの時につるされる七夕飾り。商店主や住民が毎年、手作りで持ち寄り祭りを彩ってきた。今年、吉田さんが特に力を入れて作った七夕飾りはたくさんの折り鶴をあしらい花火にも負けない華やかさを目指した。花火はなくなったが多くの人が七夕飾りを楽しんでいた。

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DJ KOOは盆踊りDJとして各地の祭りに参加。オマツリジャパン代表・加藤優子さんは全国の祭りの資金集め企画など運営をサポートしている。加藤さんは祭りの中止や休止が相次ぐ背景にあるのは「コロナ禍での経験」と指摘。毎年の祭りが途切れた原因だという。主催者が前向きならば、中止にするのも悪いことではないという。形を変えながら続けていくことにも意義があるという。

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オマツリジャパン中野駅日本盆踊り協会
伝統の祭りが「動物虐待」?「危険」? あなたはどう考える?

三重県桑名市の多度大社で行われている「上げ馬神事」。馬に乗って急な坂を駆け上がる。去年、馬がけがをして殺処分となったことから動物虐待ではないかといった批判が数多く寄せられ問題となった。福岡の伝統の夏祭り「博多祇園山笠」では去年、山笠の下敷きになって男性が死亡。安全対策が議論になった。そして、茨城県龍ケ崎市で行われる祭り「つく舞」。450年程前から地域に伝わる伝統行事で高さ14mの柱の上で舞男と呼ばれる人たちが豊作や雨乞いを願う曲芸を披露する。しかし、命綱なしで行われることから危険ではないかという声が上がっている。祭りの準備のために舞男の指導に当たってきた大石浩司さんは祭りを継続していくため技の出来よりも事故がないようにすることを優先している。

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節度を守りながら継承してほしいという出演者。祭りと価値観の変化がある。従来の形で続けていくことが難しくなっているという。祭りと価値観の変化の問題について、祭りに関する調査研究などを行っている大原学さんは「SNSでの情報拡散時代では炎上のリスクもあり、さまざまな意見に耳を傾ける必要が出てきて伝統だからといって従来の形で続けていくことが徐々に難しくなっている」と指摘している。形を変えているからこそ、今に残っている。形を変えることも手段のひとつだ。

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マツリズム
中止相次ぐ首都圏の祭り・花火大会 “夏の風物詩”をどう守る

先月、茨城県笠間市である祭りの打ち合わせが行われていた。集まったのは地元飲食店の店主や主婦など15人。今年で3回目を迎える「笠間納涼盆踊り花火大会」の運営メンバー。この祭りの特徴は住民の手作り。予算のほとんどを行政に頼らず地元の商店や住民からの協賛金で賄っている。祭りを立ち上げた安達勇人さん。きっかけは地域の祭りが途絶えてしまったこと。幼いころから参加してきた祭りがコロナ禍を機になくなってしまった。もう一度地域の人たちが集まる場を復活させたい。安達さんはゼロから祭りを作ろうと考えた。今年はおよそ250もの企業などから300万円の協賛金が集まった。地域の人たちは回を重ねるごとに祭りへの期待を高めている。祭りの当日。地元の高校生もボランティアで参加していた。参加した人は去年よりも増え1万2000人に。手作りの祭りが地域に根づこうとしている。

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笠間市(茨城)笠間納涼盆踊り花火大会

お祭りを残していくことについて。加藤さんは「市民が主体的に参加しようと思えるようなお祭りにしていくことが重要」などと話した。また加藤さんは祭りの効果について「地域のリーダー育成や子どもが社会を知るきっかけになる」などと話した。一方KOOさんは新しい盆踊りを作る活動に取り組んでおり、活動の中で大切にしていることについて「世代を超えて、盆踊りが好きな人もちゃんと楽しめるような形にする」などと話した。

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