- 出演者
- 合原明子 高橋克典 百田夏菜子(ももいろクローバーZ) ロバート・キャンベル
今回は新幹線を特集。最新技術が搭載された「秘密の新幹線」を単独取材。
オープニング映像。
さいたま鉄道博物館にやってきた。東海道新幹線開業時に作られた「0系新幹線電車」を展示。列車の先端部分には非常用連結器が入っていて、覆うカバーは半透明のアクリル製のため夜に光る。列車の接近をわかりやすくするための仕組みだったが、鳥と衝突して割れる事故があり硬くて不透明なカバーに交換された。座席は2列分で1つの窓。背もたれを動かして対面式にすることもできる。
さいたま鉄道博物館で展示されている「0系新幹線電車」。運転席では、見通しを良くするため床の高さはレールから3m50cm。先端部分は機械室。操縦に使うのは車のアクセルに相当する「マスコンハンドル」、「ブレーキ弁ハンドル」など。制限速度を超えると自動的に減速する装置が導入されている。
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- 0系新幹線
運行ダイヤや走行ルートなどが公開されていない新幹線車両「N700S確認試験車J0編成」。開発中の技術を試験するための車両で、JR東海の浜松工場で保管。近くには、日本唯一の東海旅客鉄道用の踏切もある。これまで内部の取材は許されていなかったが、新幹線開業60周年ということで特別に許可が降りた。単独撮影は初。1号車~3号車にはトップシークレットの技術が搭載されており、詳細な取材はNG。
「N700S確認試験車J0編成」を取材。4号車で行われているのは線路の状態をチェックする試験。運転室には自動運転技術を搭載。運転席に専用のボタンがついている。すでにテスト走行の段階まで開発が進んでいる。
2023年2月28日、静岡駅で行われた東海道新幹線の自動運転テスト走行。運転席のモニターに表示されているのは「運転曲線」。列車の加速・減速の計算などを図で表したもの。0時45分に静岡を出発、59分に掛川駅を通過し1時10分に浜松駅に到着するよう定められている。通常、運行に乱れが出ないよう運転士が「はじき計算」を用いて臨機応変に速度を管理するが、自動運転にもこれを搭載。結果、テストは問題なく成功。これを搭載した車両は28年頃から順次運用開始予定。
新幹線の最新技術試験車両「J0編成」。屋根に投資あされている「電車線金具異常検知装置」は、最高時速300キロで走りながら架線に異常がないか撮影できるもの。チェックするのは架線の様々な箇所に使われている金具。
時速270キロで走行しながら架線や線路に異常がないかを調べる「ドクターイエロー」。専門の測定員が車内にいて、パンタグラフと接するトロリ線をチェック。その引退後を担う技術が、新幹線の最新技術試験車両「J0編成」に搭載されている。それまで架線の金具を点検するのは人力だったが、これではその点検が可能。2027年以降、N700Sに搭載予定。架線の高さやレールを枕木に固定する金具なども、高速度で走りながら点検できる。
新幹線の最新技術試験車両「J0編成」。線路の金具の歪みを高速度で走りながら見極められるよう、車体の下部には特殊な装置が搭載されている。こうした自動化技術の背景にあるのは日本の人口減少。
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- N700S新幹線確認試験車
世界初の高速鉄道として1964年10月1日に誕生した新幹線。当時は航空機の台頭や自動車の普及で「鉄道不要論」もあったが、高速で安全に大量の客を運ぶため新幹線が開発された。この成功が世界に広まり、新幹線は世界の鉄道復権の原動力となった。スピードを追求するため、先端の「顔」の部分も進化。最初は丸みがかっていったが、次第に角張った顔に。500系の営業速度は300キロ。シャープで長い鼻を持つのが特徴。
スピードを追求し続ける新幹線。現在の営業最高速度は320キロ。E956形(愛称:ALFA-X)は次世代新幹線開発用の試験車両。これを用いて開発されているのは、最高速度は360キロを走れる車両。課題の1つはブレーキ。通常のブレーキを補助するため、屋根の上に「空力抵抗板ユニット」を搭載。起動すると屋根の上に突起ができ、空気抵抗を起こし減速させる。走行中に鳥にぶつかっても壊れないよう、素材は柔らかく変形し衝撃を受け流すアルミ。
雪の難所がある東海道新幹線。雪が降っていても安定して急停止できるよう開発されている現場を取材。ブレーキを強くかけすぎてはスリップしてしまうため、試験データを地道に収集。
新幹線のレールや枕木を支える基礎になる「バラスト」。車両が通るたびに重みや衝撃で摩耗し小さくなる。小さくなるとレールの高さが合わなくなり、振動が激しくなるなど乗り心地に影響。東海道新幹線では20年~30年に一度更換。その更換作業に密着。作業員は30名ほど。午後11時30分、作業スタート。縄付きスコップで穴を掘り、全13両のバラスト更換専門車「NBS」から巨大なカッターを挿入。枕木の下に入り、掘り進め回収しながら新しいものを散布する。同時に行えるのは世界初。1分間に1m進む。
新幹線のレールや枕木を支える基礎になる「バラスト」。その更換作業に密着。専門車「NBS」で回収しながら新しいものを散布。運搬車1台に1人の作業員がつき、バラストが詰まらないようコンベアの速度調整など行っている。「マルチプルタイタンパ」はバラストを突固めレールの位置を整える専用車。線路の歪みを直し、振動が少なく快適な乗り心地を実現させる。
新幹線のレールや枕木を支える基礎になる「バラスト」。その更換作業に密着。作業に使われる「KVP-S」は、バラストをかき集めならすための専用車両。仕上げに使う「DTS」は、車輪を振動させバラストを締め固める専用車両。これが導入されるまで、更換翌日はその区間のみ一日中速度を落として運転されていた。DTSの導入でダイヤに余裕が生まれ、所要時間の短縮や停車本数の拡大などが可能となった。最後、作業員たちがレールの歪みを最終チェック。
ここまで、新幹線の最新技術を紹介。案内してくれた奥原さんは「60年前に新幹線が誕生していなかったら今の鉄道は違う姿になっていた」「新幹線開業は世界に対して大きな影響を与えた」とし、「その後も進歩を続けている」「時代に合わせてバージョンアップしているからこそ 今でも多くの人が信頼する乗り物として存在している」などコメント。
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