2023年9月15日放送 1:35 - 2:35 NHK総合

ETV特集
選「熊を崇(あが)め 熊を撃つ」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ETV特集)
熊を崇め 熊を撃つ

マタギは太古の昔より狩りを生業としてきた山の民。秋田県の鳥海山の懐には最古のマタギ集落と呼ばれる村がある。小沼さんは現役のマタギの中で最も多くの熊を仕留めてきた。小沼家は300年に渡り代々マタギの伝統を受け継いできた。今回鳥海マタギの同行取材が特別に許された。足跡から熊の行動を予測したった一人で熊に忍び寄り撃つ。熊はマタギの目を欺くための行動を取る。マタギとは上信越から東北の山々で野生動物を狩り山菜やきのこをとって暮らしてきた山の民。熊はマタギにとって特別で貴重な現金収入をもたらした。熊を3頭仕留めれば1年は遊んで暮らせたという。マタギは自分たちを生かしてくれる山の自然を山の神様として信仰していた。

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上笹子(秋田)鳥海マタギ鳥海山

鳥海マタギの取材を始めたのはまだ山が緑に覆われていた9月。昔も今もマタギは狩りを行わない季節は山間の土地で農業を営んできた。近年、人里に現れる熊が増え農作物の被害が後を絶たないが、去年は例年になく山の木の実が豊作で人里に降りてくる熊の被害は少なかった。山に暮らすマタギは今も山の恵に生かされている。山の神様から最大の授かりものは熊という。しかし今マタギを継ごうとする若者はほとんどいないという。マタギは職業としては成り立たなくなった。熊がお金にならなくなったのは今からおよそ50年前という。また、10月下旬に鳥海マタギの安全祈願祭が行われた。皆収入を得るための仕事をしながら休みの日に狩りを続けている。

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ヒラタケマイタケ東京都鳥海マタギ鳥海山

小沼さんの主な収入源は林業で自治体の依頼で山を自然に戻す植林に携わっている。ブナ林の再生は熊の住処を取り戻すことにつながる。熊狩りは熊が冬眠に入る12月下旬までが勝負となる。去年の調査では秋田県に生息する熊は約3000頭で、人里に現れる熊の被害を抑えるため秋田全体で年間109頭まで狩猟が認められている。追跡を開始して1時間、熊の足跡は峰を越えていたが小沼さんは足跡から離れて峰の影全体を見渡せる一まで登った。しかし山の斜面には熊の姿はなかった。何かから逃げるように走り出した熊は急斜面を駆け下りていた。

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ブナ鳥海マタギ

熊を授かり、協力して集落まで持ち帰る。仕留めた熊はできるだけ早く弔い魂を山に返すことが鳥海マタギの習わし。肉、内蔵や骨を大切に切り分けて獲った人も獲れなかった人も平等に分かち合うことはマタギ勘定という。この地域は秋田県でも有数の豪雪地帯で地域のライフラインを守ることが除雪作業。小沼さんは冬場は除雪の仕事も行なっている。昔から変わらない熊肉料理を家族で食べていて、熊の命を体に取り入れ厳しい冬を乗り越えてきた。おそらく近い将来熊とともに生きたマタギの暮らしは消え去っていくという。

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ナラ鳥海マタギ
(エンディング)
エンディング

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