- 出演者
- -
去年11月、北朝鮮が打ち上げた軍事偵察衛星により不穏な空気に包まれた。北朝鮮の悲願だった軍事偵察衛星の打ち上げ。打ち上げに不可欠だったのは弾道ミサイルの技術。着々と軍事力を高めてきた北朝鮮。この番組は今まで見えなかった真相に迫る。
去年から北朝鮮は国境封鎖を一部緩和していた。しかし中国は変わらず警戒に当たっていた。3年半にわたり往来の制限をしてきた北朝鮮。闇は深まっている。北朝鮮を探るためフロリダを訪ねた。地図を埋め尽くすのは観察地点の記録で7万を超える。衛星画像は重要な情報源である。コロナ禍以降、二十に強化されたことを確認していた。人々の行動の制限は国境以外にもある。コロナ禍以降、統制を強化し続けブラックボックス化する北朝鮮。一方、アピールしてきたのが弾道ミサイルの技術。2022年は少なくとも73発とかつて無いペースで発射した。
- キーワード
- フロリダ(雨)
ITエンジニアの草薙さん。力を入れているのが北朝鮮のミサイル軌道の可視化。発射場所や高度・飛距離を確認した。以前は国家が独占してた情報だが一般市民も確認できる時代になった。草薙さんが可視化した軌道は250以上に及ぶ。草薙さんが感じる変化はミサイルの多様化。その中で可視化が難しいミサイルが2022年1月の極超音速ミサイル。音速の5倍のスピードで飛行し、最大の特徴は滑空。レーダーで捉えにくく迎撃が難しい。オランダのラルフ・サベルツベルク准教授は公開情報を元に検証を重ねてきた。北朝鮮が明らかにしたのは数枚の写真のみ。重要な手がかりを見つけ出した。着目したのはエンジンの構造。極超音速ミサイルには火星12型と同じエンジンが搭載されていると考えた。滑空のカギを握るのは先端。正確な大きさ・形が分かったことから空気抵抗・揚力を計算できる。また発生時を見てエンジンの加速度を計算することで推進力を導き出す。全ての情報を入力すると極超音速ミサイルとされる軌道が現れた。発射から4分後に滑空へ、8分後に日本海の目標地点に落下した。軌道は金総書記が示した軌道とほぼ一致。理論上だが極超音速ミサイルの能力を用いることがわかった。ミサイル開発には国運をかけて取り組んできた歴史がある。初めて目の当たりにしたのは1998年のテポドン1。周辺各国は警戒を強めていった。そして世界に強い衝撃を与えたのはICBM級のミサイル。
北朝鮮のミサイル技術を調査してきたジェフリー・ルイス教授。分析を続けてきたのは国営メディア。2017年の前の年のニュースに注目していた。機械工場と報じた施設だがルイスさんの目には全く別のものが見えていた。総書記の隣に立つ男性は発射や視察などに同行する姿が捉えられてきた人物だった。テーブルの上にあるミサイルの重要部品も見逃さなかった。インペラーという部品で、製造していた推察したのが機械工場に並ぶCNC工作機械で複雑な加工を高い性能で行うことが可能。国連はミサイル開発に使われるとして北朝鮮への輸出を禁止している。インペラーを製造できる可能性がある機械を発見。それはヨーロッパの工作機械と似ていたが、ヨーロッパの企業は当社の製品ではないと否定。その一方で台湾企業の製品と似ていると言及し、ほぼ一致するものがあった。企業を訪ねるも別の倉庫となっていた。確認すると2011年に廃業していたことが分かった。しかし調査をすると元代表が今、中国で工作機械の製造を手掛ける別企業の社長を務めていることが分かった。
「NHKスペシャル」の次回予告。
東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌慶讃「MISIA PEACEFUL PARK Dialogue for Inclusion 2023」の番組宣伝。