- 出演者
- チャンカワイ ギャル曽根 トラウデン直美
ことしの決勝の舞台は大阪・関西万博。2025年5月、Q-1セミファイナルが行われ、ファイナリスト3組(鹿児島県立国分高等学校・東京都立立川高等学校・青森県立名久井農業高等学校)が決定。Q-1の頂点に立つのはどのチームか?
オープニング映像。
審査員を紹介。伊沢拓司、スチュアート・ミラー、中島さち子、野口聡一、山極壽一の5人が審査する。
鹿児島県立国分高等学校の研究テーマは「硫化水素濃度の簡単な測定法と検知装置の開発」。
鹿児島県立国分高等学校サイエンス部の5人がプレゼンを行った。2025年、硫化水素の発生実験による事故は全国で22件にのぼる。中学校の理科実験で硫化鉄に薄い塩酸を加えて硫化水素の臭いを嗅いだことが原因とみられる。独自のアンケートによると、備品に硫化水素濃度測定器があると答えた学校は0%。約14万円と高価であるためだとみられる。そこで、鹿児島県立国分高等学校は安価で正確な硫化水素測定機の開発を行った。測定に使ったのは、なんとお手軽な綿棒。銀イオン水溶液に浸した綿棒が硫化水素に反応すると黒く変色する現象を利用した。装置は、黒い綿棒に反応して警報が鳴るため、危険を音で知らせることができる。この警報装置は1台あたり6000円と非常に安価。プレゼンが終わった後は専門家や審査員による質疑応答に答えた。合計得点は450点。
東京都立立川高等学校の研究テーマは「ビデオ自動観測装置の開発」。
東京都立立川高等学校 天文気象部の5人がプレゼンを行った。彗星は太陽に近づくと塵を放出しながらダストトレイルと呼ばれる帯を形成する。このダストトレイルに地球が突入する時、普段より多くの流星が見られ、これを流星群と呼ぶ。東京都立立川高等学校は5台の防犯カメラを搭載し全天を網羅する観測装置を開発。直射日光によってカメラがダメージを受けないよう、自動日除け装置も作った。さらに、流星を自動探知するAIプログラムも開発した。これらの装置により、幻の流星群とされる“ほうおう座流星群”の観測に成功。そのデータをもとに幻の流星群の出現を予測するプログラムまで開発した。プレゼンが終わった後は専門家や審査員による質疑応答に答えた。合計得点は463点。
青森県立名久井農業高等学校の研究テーマは「農薬を飛散させない散布方法」。
青森県名久井農業高等学校 栽培環境班の4人がプレゼンを行った。日本は世界第2位の農薬使用国。使用範囲の広い除草剤が生産量の約40%と一番多く、中でも便利な液剤が主流。農薬散布におけるミストの飛散・ドリフトの懸念がある。途上国では除草剤を含む農薬で毎年たくさんの人が亡くなっている。青森県名久井農業高等学校は農薬使用量の削減とドリフトの抑制が鍵だと考え、農薬を減らして環境にも優しい散布法を開発。それは、自然由来の素材を使った泡で農薬散布すること。泡散布はミスト散布の半分の作業時間に抑えられ、泡散布は風に飛ばされにくいことを実証した。プレゼンが終わった後は専門家や審査員による質疑応答に答えた。
青森県名久井農業高等学校 栽培環境班の合計得点は475点。審査員の野口聡一は99点をつけ、「未来を変えてくれるかもしれないという希望をすごく持たせてくれた」などと評価した。頂点には青森県名久井農業高等学校が輝いた。
決勝から数日後、鹿児島県立国分高等学校のメンバーは質疑応答を交わした東洋大学の後藤顕一教授の元を訪ね、最新機器を体験したり専門家たちと話したりした。東京都立立川高等学校のメンバーは国立天文台を訪ね、憧れの国立天文台 天文情報センターの渡部潤一教授と天文について語り合った。青森県立名久井農業高等学校のメンバーはGoogleを訪ねた。招待したのは審査員を務めたスチュアート・ミラー。Googleのエンジニアたちとディスカションを行った。
エンディング映像。