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- 手嶌真吾
山口県岩国市出身の作家・宇野千代。秋から始まる連続テレビ小説「ブラッサム」のモデル。代表作「おはん」で野間文芸賞を女性初受賞。98年の歳月で100以上の作品を生み出した。その生涯に迫る。
宇野千代の小学生の頃の成績は今でいう「オール5」。当時から書くことが大好きで、学校の冊子に何度も作文が掲載された。父は厳格な人で、家の中で雑誌や本を読むことは禁止されていた。
宇野千代は22歳の頃、夫の就職に伴い北海道に移住。大正9年のこと。当時の札幌は開拓の熱気から街も活気に溢れていた。千代はそのムードに触発され、小説を本格的に書き始める。
宇野千代は22歳の頃、北海道に移住し作家を目指し始める。北海道立文学館に所蔵されている「啓明」は文学仲間と趣味で作っていた雑誌。千代の作品が掲載されていた部分は抜き取られている。載せるはずだったところ、自身で抜き取って懸賞小説に回したと考えられている。結果、3000を超える作品から一等に。応募した「脂粉の顔」はカフェの女給が資本家の男に金で買われ弄ばれる物語。世の中への怒りが込められている。24歳で夢の文壇デビュー。
文壇デビューを果たした宇野千代。デビューを機に東京生活。髪型は当時流行していたものにチェンジ。文化人との交流も盛んで、その1人は2番目の夫で作家の尾崎士郎。2人を慕う一流の文化人が続々と街にやって来て、最盛期には100人近い文化人が集った。一帯は「馬込文士村」と呼ばれた。37歳で書き上げた「色ざんげ」は画家・東郷青児の体験談がモチーフ。ヒットしたが「東郷の話術のおかげ」と考え、自分のスタイルが確立できないことに思い悩む。
1942年、宇野千代は徳島を訪れる。目当ては人形師・吉岡久吉。千代は東京で偶然見た久吉の人形に一目惚れ。徳島県立文学書道館に所蔵されているのは、久吉を長年取材した新聞記者に宛てて「久吉にどうしても会わせて欲しい」と送った手紙。全長1m以上。対面が叶い、目と鼻の先で久吉のしごとぶりを10日間見続けた。驚いたのは久吉が1日も休まず理想を追求する姿。千代は創作への姿勢を学び、1日も休まずに書くことを決意。この翌年、語り手の口調を文体に落とし込む「聞き書き」で初めて作品を発表。
人形師・吉岡久吉の創作姿勢に影響を受けた宇野千代。50歳の頃、後に純文学最高峰の野間文芸賞を受賞する「おはん」を書き始める。ヒロインは夫に不倫されても我が子を亡くしても前を向いて生きる力強い女性。自身の波乱万丈の人生を盛り込んでいる。10年かけて完成。以降60冊以上を刊行。85歳で刊行した自叙伝「生きて行く私」はミリオンセラーに。ポジティブな生き方で老若男女に愛された。98歳で死去。
エンディング映像。
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2026年5月6日(1:25)
