長崎市にも認知症の家族を捜す人がいた、坂本悦子さん。1年10か月前、夫の坂本秀夫さんが突然姿を消した。夕方の日課だった散歩へ行く前に愛犬とキス。それが最後の姿だった。自宅は長崎市の坂道にある住宅地。妻は携帯電話に連絡するが、通話が切れるとその後つながらず、2時間後に電源が切れる。警察の捜索も手掛かりはなく、3日で打ち切られる。夫は長崎でレストランを経営。62歳のときに若年性アルツハイマー型認知症と診断される。行方不明になったことで月4万円以上あった夫の年金支給が停止となった。悦子さんは自宅で転び骨折し、現在もリハビリは続いている。娘の愛子さんは多くの認知症行方不明者の家族に捜索や生活のアドバイスをするなど支援活動を始める。認知症の行方不明者は90%以上が保護されている。