映画「いまダンスをするのは誰だ?」では樋口さん演じる主人公が手足が震えたり体が動かなくなったりする進行性の難病パーキンソン病になり、自暴自棄に陥る。仕事はうまくいかず家族との関係も悪化する。しかし、同じ病気を抱える仲間との出会いを通じて今の自分を受け入れていく物語。樋口さんは演技に初挑戦。自身の症状もあり悩んだが、パーキンソン病を広く知ってほしいと出演を決めた。とくに苦労したのがクライマックスのダンスシーン。樋口さんは43歳のときに突然病気を発症、その後悪化して声にも影響が出始めた。音楽活動への支障がでることを恐れて公表はしなかった。そんなある日、尊敬する先輩から言われた言葉が樋口さんの心を変えた。樋口さんは病気を公表。すると同じような病気を抱えている人から詞が送られてくるようになったという。樋口さんが強く心を打たれた詞もあった。今樋口さんは病気を抱える人の思いを広く伝える活動に力を入れている。この日は中学生を向けたコンサート。本番前にモクモクと走る樋口さん。固まる声をほぐして声が出るようにするために。そして、歌ったのは家族への感謝を込めたあの詞だった。病気になり失ったことは沢山ある、しかしそのひとつひとつが新しい出会いや楽しみにつながっていると樋口さんは言う。