まず初めは東京・荒川区にある創業70年の「うなぎ あら川」。お昼時は近所のお客さん達で賑わっていた。平日のランチはリーズナブルで「うな玉丼」はセットで1100円であった。女性客に人気なのが2000円のうな丼セットでお手頃サイズのうな丼に茶わん蒸しや煮こごりがついていた。店自慢のうな重は並から特上まで7種類あり「椿」が一番人気となっている。店主は3代目の松井信一さんで厨房には長男と二女、そして二女の夫と全員が身内であった。そして創業当時から続いているのが出前である。うな重5人前の出前のバイクについていくと親子3代に渡る常連さんであった。会計を済ませると長年返し忘れていた古いうな重の器が返されていた。母屋は2年前に廃業した質屋で蔵を掃除中に器を発見したという。うなぎはいつも仏壇にお供えされており、質屋の初代と2代目の写真があったが初代は月に1度は出前を取るほどのうなぎ好きであった。注文したのは3300円のうな重「椿」であった。次も近所の常連さんでこちらも一番人気のうな重「椿」を注文していた。仕込みは午前7時からでこの日のうなぎは鹿児島県産であった。手際よく割いているのは店主の弟で串打ちの担当は長男と二女の夫で白焼きは3代目自ら行っていた。その「特上うな重」だが出前で注文したお客さんがいた。30年来の常連さんでこの日は娘家族と父の日のお祝いをしていた。店主の思いは「うちのうなぎをおいしいと言ってくれる笑顔が見たい!」とのことだった。
住所: 東京都荒川区西尾久3-21-2