妻のひとみさんは青森出身で、会社員時代に出会った。38年前結婚を機に山梨にやってきた。3人の子を育てながら知らない土地での農作業は苦労の連続だった。すいかの収入だけでは生活できないため、繁忙期以外の秋から冬は橋などの点検を補助する仕事で県外へ出向いている。季節外れのヒョウで実が傷ついたり、異常な暑さでツルが枯れるなどその道は試練ばかりだった。直売を始めた20年前はひと夏で200人ほどだった客は、2500人が来店するまでに成長した。栄一さんは、ひとみさんの誕生日に青森行きのチケットをプレゼントした。ひとみさんは、結婚以来数えるほどしか青森に帰れていなかった。
