かつて県内で栽培が盛んだったいぐさを使った敷物「花むしろ」を紹介する企画展が倉敷市で開かれている。花むしろは、いぐさを丁寧に織り込んで染めた敷物で花茣蓙とも呼ばれる。倉敷市の美観地区にある倉敷民藝館には15店の花むしろが展示されている。花むしろはいぐさの一大産地だった岡山県内で盛んに作られ、明治時代には海外にも輸出された。その後生活様式の変化などで次第に衰退するも、民芸運動家の外村吉之介が復興に力を注いだ。今回展示されているのは全て外村がデザインを手掛けた1畳サイズの作品。このうち、そろばんは赤や緑のそろばんの玉をイメージした1960年の作品でシンプルなデザインが印象的。この企画展は9月7日まで開かれている。