徳島県阿南市・椿泊漁港のはも漁師に同行し、紀伊水道でのはも漁を取材した。えさとなるのはぶりの稚魚の「もじゃこ」で、尾びれを切って動きを遅くしはもが食いつきやすくする。漁場は海底が沼地になった海域で、針にえさをつけた縄を海底に沈める「延縄漁」ではもを釣る。縄を沈める作業は船をゆっくりと進めながら行い、縄が進むのに合わせて生き餌の魚を素早くつけながら沈めていく。引き上げは夜になってから行い、釣れたはもは歯がするどいので針がついたまま糸を切っていけすに移す。縄を沈めるのに2時間、引き上げに5時間をかけ、帰りは翌朝になった。この日の釣果は約120kg。その日のうちに京都・大阪・東京などに運ばれる。