2050年の脱炭素社会の実現に向け、CO2を排出しない次世代エネルギー「水素」は必要不可欠。サントリーホールディングスは、再生可能エネルギーだけを使う「グリーン水素」の製造・販売への参入を発表した。国内で初めて、製造から販売までを一環して手掛ける。今年の秋に稼働予定の国内最大級の水素製造設備「やまなしモデルP2Gシステム」では、天然の地下水を再生可能エネルギーの余剰電力で電気分解しグリーン水素を取り出す。年間のCO2排出削減量は1万6000トン。サントリーはまずこのグリーン水素を天然水工場での熱殺菌や蒸留所でのウイスキーの「直火蒸溜」などに使うことを検討していて、2027年以降は協業パートナーなどとともに水素の製造・販売や新ビジネスの創出などを展開していく方針。日本総研チーフスペシャリストの村上芽さんは「エネルギーの地産地消が実現できる。活用が進むと波及効果につながる」などとコメントした。