アサヒビールの物流システム部は、毎日工場でどれくらいビールを作るのか決めていたのは植木拓実さん。普段は受注や在庫の数が自動的に吸い上げられ、受注管理システムが適切な生産量を計算していた。それがダウンしたために受注や在庫の数はアサヒの社員が自ら入力し計算することが必要になった。顧客が酒を注文する際に入力するシステムも使えなくなったために営業担当者が個別に注文を受けることに。二カ月の間、毎朝担当する店の注文を聞き取ったという。その数字を自ら表計算ソフトに打ち込んで発注していた。通常の外回り営業を続けながら注文の手入力という業務が日課に。 一方で、茨城工場に隣接する倉庫では、物流システムがダウンしている中で、在庫の数を正確に把握するのが担当者の重要なミッションとなった。毎日出荷する3万本ほどのビール樽を目視で数え、紙で集計していた。こうして確認した受注や在庫の数を元に物流システム部が生産量を割り出すために使ったのも表計算ソフト。地道な手作業で毎日生産量を決めていた。そんな社員の頑張りでシステムを使えなかった二カ月間の売上低下を2割程度にくい止めた。
