南米のペルーで開かれていた、APEC(アジア太平洋経済協力会議)。首脳会議は、多国間協力の重要性を強調する首脳宣言を採択して閉幕した。首脳会議は、ペルーの首都リマで2日間の日程で開かれた。参加した各国の念頭にあったのが、保護主義的な傾向。関税の引き上げを掲げる米国のトランプ次期大統領の就任を前に、国際社会で懸念が高まっている。中でも、高い関税を課すとされた中国。けん制するためか、習近平国家主席は演説で「地政学的な対立や単独行動主義、保護主義の台頭などの課題によりアジア太平洋協力も試練に直面している」と発言した。その上で、多国間貿易体制を重視する姿勢を強調した。そして会議は、首脳宣言を採択して閉幕した。宣言では、多国間の協力や自由で開かれた貿易などの実現を目指す重要性を強調している。現地では、1年ぶりとなる米中首脳会談も行われた。対話を続けていきたいと発言した習主席。次のトランプ政権に対して、対立を招く対中政策は互いの利益にならないと印象づけたかったと見られる。今回は、対話の重要性を確認した米中。トランプ氏の返り咲きのあとも対話を維持し、問題解決を図っていけるかが課題となる。