ビーバーはキーストーンス種と呼ばれる、生態系に大きな影響を与える種。その種が絶えると地域の生態系を大きく変える。ガーディアン紙によると、ビーバーはダムを作ることで知られているが、ビーバーが作るダムは川の流れを緩やかにして湿地帯を形成し、様々な動植物が生息するようになり生態系が豊かになる。またダムは干ばつ、洪水対策にも効果があるとされている。ビーバーダムが思わぬ効果を生み出した事も。2018年、チェコを流れる川で池からの流水が原因で生態系が崩れる危機があったため堰の建設を予定するも着工できずにいた。そんななか、野生のビーバーが池にダムを作ったことで堰を建設する必要がなくなり、建設費用約2億円の経費削減につながったという。一方で懸念点も。ビーバーが作るダムによって農地などが湿地帯になり作物が作れなくなる被害も。AFP通信によると2023年10月スコットランドではジャガイモ農家の畑が水浸しになり3億円超の被害が出た。そのためビーバーを野生に返した政府は対応策も講じている。AP通信によると、農地などに悪影響の危険があると判断された場合、ビーバーダムの撤去が許可されておりそのための補助金も用意するという。最悪の場合は駆除することも選択肢に入っているという。