パウダースノーを武器に世界的リゾートに成長した北海道のニセコ地域では、観光客の増加で観光業を中心に時給が高騰している。一方で、地元の人々の生活を支えるある仕事が深刻な人手不足となっている。倶知安町にあるスーパーでは、冬季限定で外国人向けの高品質な商品の品揃えに力を入れている。ボイルしたタラバガニは税込み27864円、箱に入ったシャインマスカットは税込み4946円の値札が付いている。生ウニの価格は1パック32184円だが、アメリカからの観光客はためらいなく手に取っていた。ニセコ地域では昨年度の外国人の延べ宿泊数が73万8800人と過去最多を記録。12月~3月のハイシーズンは関係者の間でニセコ100日戦争と言われている。最も賑わうのはスキー場の麓にあるひらふ坂周辺。ニセコ地域が世界的リゾート地に成長したことで賃金も上昇している。ニセコの平均時給は1585円だが、サービス業の有効求人倍率は4.52と深刻な人手不足に陥っているという。倶知安町では去年10月までに2つの介護事業所が相次いで閉鎖。介護職は恩恵を受けられないという。専門家は、ニセコ地域は物価が上振れしている為、今後地元住民の生活の利便性は下がる可能性があると指摘する。北海道新幹線の延伸で札幌までの移動がわずか25分に短縮される構想もある。