前例のない風力発電の実証事業。住民たちからは不安の声が上がった。低周波の影響で魚がいなくなるのではないかなど。説明会は2度、3度と開かれた。島は風車を受け入れることになった。潜水士の渋谷さんも一役買った。渋谷さんは磯焼けを目にしていた。洋上風力に魚が集まることをヨーロッパで確認していた。渋谷さんは、椛島の海に潜った。映像を椛島の住民に見せた。洋上風車と漁業は共生できると説明した。いい漁場になるという。2012年、中尾郁子市長が見守るなか、実証事業がスタート。翌年、本格的な浮体式洋上風力が五島へ。戸田建設の野又さんも見守った。「はえんかぜ」という名前とした。南東の風という意味。幸せを運ぶという言い伝えがある。水中には魚が集まってきた。漁師たちの釣り場にもなった。いい漁場になっているという。過疎と高齢化が進む島。戸田建設の野又さんは島の祭りに参加。メンテナンスはイー・ウィンドが担当。元五島ふくえ漁業協同組合の組合長の熊川さんは風車を残したかった。地元の実力者だ。漁師の高齢化、後継者不足。洋上風力の魚が集まる効果に期待していた。水産業をよくしたいと考えた。福江島の沖合で、ふたたび回り始めたはえんかぜ。海中の柱の周りには魚がいる。はえんかぜは約1800世帯分相当の発電量。
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