韓国は今、WEBTOONの制作に力を入れており、韓国版トキワ荘とも呼べる拠点が誕生した。アニメや漫画で有名な韓国・富川市に去年9月、富川ウェブトゥーン融合センターができた。国や市などが590億ウォンを投じ、国をあげて漫画で世界一を目指す拠点としてできた施設だ。
スマートフォンを縦にスクロールして読むことから「縦読み漫画」ともいわれるウェブトゥーンはスマートフォンで読むことを前提に描かれた韓国発の新たな漫画の表現形式。日本の漫画は逆Z型にストーリーが展開される独特の読み方をすることに加え、見開きの紙面を想定した作りとなっていることから「スマホでは見づらい」という声がある一方、ウェブトゥーンは1つのコマが画面いっぱいに表示されることから「見やすいうえに読み方も明快だ」と広く支持を得ている。中国の調査会社によるとウェブトゥーンの世界市場は、2029年におよそ4兆円規模に急成長すると予測されている。人生をかけた復讐劇を描き日本でも話題となった「梨泰院クラス」もウェブトゥーン発。世界中で人気を博している韓流ドラマの原作がウェブトゥーン発なんてことも今では珍しくない。ウェブトゥーンを国策として推し進めるために作られたのが 。国内最大のウェブトゥーン制作会社をはじめ、プロの作家およそ100人とウェブトゥーンをアニメ化するなど2次展開を考える関連企業30社が入居。住居棟もあり、相場の3分の1ほどで作家たちに提供している。富川ウェブトゥーン融合センターは次世代のウェブトゥーン人材の教育にも力を入れ、この学校で教育課程を終えた学生は施設内にある制作会社に実習生として加わることもあるそう。ウェブトゥーンの作成には最新のAI技術も導入されている。AIが作り上げたイラストを作画のイメージや配色の参考にしているという。AIによって短縮された時間で、ストーリーの構想などに時間を割くことができより良い作品が作れる。また、この施設では1つの建物に関連業者が集まっていることも大きなメリット。