ゴールデングローブ賞で作品賞を含む4冠を受賞した「SHOGUN将軍」。「日本人キャストによる歴史的勝利だ」(シンガポールのメディアより)、「エンターテイメント業界に重要な一歩を踏み出した」(オーストラリアのメディアより)など各国のメディアも伝えている。なぜ時代劇が米国で?早稲田大学特命教授 ロバート・キャンベルは「これはリアル、日本の地上波でも映画館でも時代劇として通じる」と話した。全米をとりこにしたリアルな作品づくり、時代考証を行ったのがベルギー出身の歴史家・フレデリック・クレインスさん。フレデリック・クレインスさんは日本の古い文化を愛し1988年に来日。戦国時代を中心に40年にわたり日本の歴史を研究しており、現在は京都にある国際日本文化研究センターの副所長として勤務している。4年前の脚本について、「書き直してくださいとか結構強く書いたのでクビになるのではと思った。ところがもっと言ってくれと言われた」と語った。物語の大部分を指摘し、気がつくと2179ページの指南書が出来ていたという。クレインスさんこだわりのシーンを紹介。特にこだわったのが大名が並ぶ大広間で武士が脇差を抜いて抗議するシーン。元の脚本では大名が切腹を命じるが、指南後は武士が切腹を申し出ることに変更。クレインスさんは「切腹は当時の武士にとって名誉を回復するひとつの手段であって嫌々でやる罰ではない」と解説した。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、「SHOGUN」が混乱した世界に教えてくれることと題し、アメリカの指導者が日本の戦国時代を学ぶかもしれないと指摘している。
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