米国大統領選挙激戦州では7つの州すべてで今のところ、トランプ氏がリードしている。背景にはバイデン大統領の政策に対する反発もあるよう。激戦州の一つ、ペンシルベニア州では石油ガス業界がトランプ氏の返り咲きを目指して活動を活発化させていた。ペンシルベニア州は米国の石油産業、発祥の地。近年は天然ガスの生産量もシェール革命と呼ばれる技術革新で急増し、全米2位となっている。米国の原油とガスの生産量はバイデン政権のもとで過去最高に。しかしバイデン政権は1月、地球温暖化対策の一環としてLNG(液化天然ガス)の新たな輸出許可を一時的に凍結。天然ガスの海外市場が縮小するとの懸念から多くのエネルギー企業が事業計画の見直しを迫られた。米国メディアによるとトランプ氏は石油大手の幹部との会合でバイデン政権が実施した環境規制の多くを撤廃すると約束。業界関係者から大口の献金を集めるなど連携を深めている。過激なアピールの裏にはもう一つ狙いがある。トランプ氏はバイデン政権の環境規制が石油ガスの仕事を奪うと主張し、票の切り崩しを図っている。専門家は票としての絶対数は多くないものの、選挙を左右する要因になる可能性があると指摘した。