望月さんは「新しい国づくりを進めるシャラア暫定大統領にとって、ロシアとの関係を維持することが有効と考えているとみられます。シリアは、北東部の地域はクルド人が実効支配しており、南部では7月に地元の遊牧民と少数派が衝突し多数の死者が出るなど、国内の融和が大きな課題となっています。シャラア氏にとっては基盤を固めることや対立を排除することが重要です。また、シャラア氏は、国際社会からの支援を得るため、各国と関係強化を図っていて、長年対立してきたイスラエルとの関係改善の可能性も排除していません。こういった前例にとらわれないアプローチの一環とみられています。プーチン氏は、中東などでの影響力を維持したい思惑があるとみられています。シリア国内にはタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地にロシア軍が駐留しています。ロシアは、アサド前政権の崩壊直後から軍の駐留の継続に期待を示してきました。双方が実利を優先して関係を強化しようとしている思惑が伺えます」などと話した。