アンプティサッカーは腕や足を切断した人たちがプレイする7人制のサッカー。フィールドプレイヤーは2本の杖で身体を支えながらボールを追いかける。今月、アンプティサッカーのヨーロッパ選手権がフランスで開かれ、ウクライナ代表も出場した。代表チームには、ロシアによる軍事侵攻後、戦闘で腕や足を失った元兵士たちも参加。祖国のために勝利を目指す元兵士の1人の男性を取材した。アンプティサッカーのウクライナ代表チームは大会を目前に控えミニゲームなどで汗を流していた。選手のうち4人は戦闘で手や足を失った元兵士。その1人マルチェブスキーさんは2年前の戦闘で右足を失った。去年、ウクライナ代表に選ばれてからレギュラーに定着。足を失う前はサッカー選手だった。首都キーウで妻と息子の3人暮らし。技術者として働いている。ロシアの侵攻後、祖国を守りたいと兵士に志願し東部ハルキウの最前線で戦った。しかし激しい迫撃砲の攻撃を受け右足を失った。治療後リハビリに取り組んでいた時にアンプティサッカーを知った。自分にも出来るのではないかと考え代表選手の選考に応募した。3度目の挑戦で代表に選ばれた。大会を間近に控えても戦時下で移動は難しく強化試合を組めない。連日のように防空警報が発令されていいる中で戦闘を経験した元兵士のメンバーはチームのメンタルの支えになるという。ウクライナはヨーロッパ選手権16チーム中11位で、マルチェブスキーさんは6試合中4試合に出場し、攻守にわたって活躍した。