オンラインポルノが急成長する陰で問題も抱える。違法ポルノが後を絶たず、規制強化が世界中で急がれている。さらにNHKの全論文解読システムで性欲に関する約2万件の論文を調査すると、社会的注目度が最も高かったのは「ポルノ依存」だった。オレゴン州のチャーチさんは10歳の頃、ネットでポルノを見るのが日常化した。高校時代に勃起不全になっていることに気づいたという。ハンブルク大学のガリナット博士はオンラインポルノを視聴する男性の脳をMRIで解析し、行動の抑制に関係する尾状核が萎縮している可能性があることがわかった。尾状核が小さい人ほど快感に鈍くなり、より強い刺激を必要とすることも明らかになった。順天堂大学の辻村医師が行った日本人男性を対象とした大規模な調査では、機能が高いはずの20代で勃起不全の割合が高くなっていることが判明した。カリフォルニア州のバレンシアノさんはAIとの疑似セックスをしていたが、去年2月に運営会社が性的な会話を停止したことで自分が依存状態だったことに気づいた。男性不妊の治療に携わっている今井医師はポルノ依存は無自覚で、それが勃起不全の原因になっているとは気がついていないと話した。