ローバック湾でのんびり暮らすカワゴンドウたち。観察を続けていると面白いシーンに出くわした。海に浮いている海藻をみつけたカワゴンドウは身体に巻き付けたりしていた。湾の中ではカワゴンドウがハンドウイルカと一緒にいる場面を度々目撃した。ローバック湾は天敵が少ないため互いに遊ぶ余裕がある。カワゴンドウは2~3年に1度、1頭だけ子どもを生み、お乳を2年与えて育てる。その間、親子は1対1の濃密な時間を過ごす。赤ちゃんが生まれた後でも、上の子どもがしばらく母親から離れないこともある。こうした暮らしによって様々な技が親から子へ伝えられている可能性がある。ある日、水鉄砲の練習をしている若いカワゴンドウを見つけた。10月のある日、これまでに見たことのない数のカワゴンドウが1か所に集まり、メスとオスはお腹を合わせていた。これは繁殖に向けての行動だという。撮影終盤、生後1週間ほどの赤ちゃんとお母さんを発見した。赤ちゃんは、お母さんに手伝ってもらいながら一生懸命息継ぎを行っていた。