約1万人の支持者が集まった米国・ジョージア州の選挙集会の会場にハリス副大統領が姿を見せた。ハリス副大統領は「自由を信じるか?可能性を信じるか?私たちは戦いに…勝つ!」と述べた。若者の間での支持率(ニューヨークタイムズなどの世論調査)は、バイデン氏が撤退する前は、トランプ前大統領にリードされていたが、20歳以上若いハリス副大統領に代わると支持率が16ポイント上昇。ハリス旋風の原動力となっている。民主党を支持している大学生。6月に取材した際には、バイデンの高齢への懸念に加え、政策にも期待が持てなくなり、投票しない考えだったが、ハリス氏が後継候補になったことで心境が変化したという。「この国は変化を切実に必要としている。半数は女性なにのに、これまで大統領はいない。ハリス氏はアジア系・アフリカ系その両方をあわせ持つ存在。それはアメリカが変化していることを示している。彼女に投票するつもりだ」と話す。ハリス氏も若い有権者を意識した選挙戦を展開。選挙集会には若者に人気のラッパーが登場。SNSも積極的に活用し、親しみやすさをアピール。歌手・ビヨンセの楽曲「フリーダム」を選挙活動で使用する許可も得た。イメージ戦略では成功しているかに見えるが、今後、課題となるのが政策。注目される1つがガザ地区を巡る問題。イスラエルへの軍事支援を続けるバイデン政権。政策の多くを引き継ぐとみられるハリス氏に逆風となる可能性がある。ハリス氏は、今の政権の基本方針を維持しながらも、より強い言葉で停戦を求めるなどして違いを出そうとしている。外交経験が乏しく国をどのように導くか依然として未知数とも指摘されているハリス氏。今後、国内外の重要課題にどんな政策を打ち出していくのかが問われることになる。ハリス氏の登場で、選挙結果を左右する激戦州の支持率にも変化が起きている。各種世論調査の平均(政治情報サイト・リアルクリアポリティクスより)では、バイデン大統領が撤退を表明した先月21日までは、7つの激戦州でトランプ氏が優位に立っていた。しかし、今月5日の時点ではミシガン州でハリス氏が逆転。他の州でも差が縮まっている。ハリス氏は近く、副大統領候補を発表する見通しだが、激戦州の知事や上院議員らの名前も挙がっていて、票の奪い合いがますます激しくなりそう。