VHSテープの寿命は約20年とされていて、すでに全盛期から20年以上経過している。2016年にはビデオデッキの生産も終了していて、今後、永遠に再生できない可能性が高まっている。カメラのキタムラでは、DVDなどにダビングするサービスを全国約600店舗で実施していて、現在利用者が急増しているという。1942年の戦時中、鉄道省によって製作された当時の鉄道に関する情報を記録した貴重な映像は、35ミリフィルムで撮影されたものがVHSに保存され、鉄道博物館に所蔵されていた。東京光音では、全国の図書館や博物館から貴重なテープのDVD化やデータ化の依頼が殺到しているという。ダビング専門店では、月2万本以上の依頼があり、現在は2ヶ月待ちになっているという。ビデオデッキは150台以上あり、1日中フル稼働している。亡くなった愛犬の映像を持ち込む人などがいた。愛知県の実家に、10年以上放置されている内容がわからないテープがあるという女性は、両親と鑑賞会を行った。37年前女性が幼いころのホームビデオのほか、能登半島地震で全壊した祖父母の家を映したものもあった。