ガザ地区と境界を接するエジプトには10万人近い住民が避難しているとされている。ふるさとの料理で避難した人たちを元気づけようと奮闘するガザの若者を取材した。エジプトの首都カイロの高架下に4月末にオープンしたレストラン「ガザの息子」。看板メニューは焼き鳥などとともにトマトやとうがらしなどで作るガザサラダ。ピリリと辛い味付けが特徴。客のほとんどはガザ地区からの避難者。このレストランを親戚や知人と始めた北部のガザ市出身のアンワルシャヒンさん。母親と妹3人と共にことし4月、つてを頼ってエジプトに避難した。戦闘2日目に家を追われ、その後、自宅は破壊された。避難を繰り返した先の南部のラファではすぐ近くの建物が攻撃された。アンワルさんの父親もその後エジプトで合流するはずだったが、検問所が閉鎖され、今も南部でテント暮らしを強いられている。ガザ地区では大学生だった長男のアンワルさん。父親に代わって家族を支えなければと考えている。ほとんど料理をしたことがなかったアンワルさんが今では慣れた手つきに。ガザに戻れるまではエジプトでガザの人たちが心安らぐ場を提供したいと考えている。