シンポジウムにはオーストラリアや台湾等の先住民らが参加した。この日は“魚を取る権利”について自分たちの国や地域の現状などを報告しあった。アイヌ団体「ラポロアイヌネイション」の長根弘喜さん達が求めているのは地元の川でサケを取る「漁業権」だ。かつて、アイヌは川でサケを取ることを生業としてきたが、明治に入ると開拓のため本州からの移住者が増え、乱獲でサケが激減。政府は川でのサケ漁を禁止した。その後、伝統的な儀式のための捕獲は許可されるも、経済活動としての漁は今も禁止となっている。川でのサケ漁の権利を求め続けている。長根さん達は声をあげ続けている。長根さん達は4年前、国と北海道を相手に裁判を起こしたが、札幌地裁は今年4月、原告の訴えを退けた。ボタニー湾地域の先住民・アボリジニは漁業権を取り戻す為の交渉を続けてきた。アボリジニの人達は海藻の保護活動を始めた。その結果、10年前に自分達で食べる分に限り漁を行う事を認められた。アボリジニの人達は観光ツアーに力を入れていた。伝統文化を解説する事で権利回復の機運を高めたいと考えている。観光ツアーでは差別の経験等も語っている。