クマの出没は海外でも。東欧ルーマニアの村では、毎年クリスマスから年始にかけて“クマ踊り”と呼ばれる伝統行事が行われる。クマは神聖なる動物とされていて、悪霊を追い払い新しい年を祝う意味があるという。ルーマニアにはヨーロッパで最多の1万~1万3000頭にのぼるヒグマが生息しているとされている。一方で、被害も相次いでいる。道を歩く2頭のクマ、その直後ゲートを開けて女性が出てきたが、大慌てで戻ってきた。クマに追いかけられていたのだった。女性は建物に逃げ込んで事なきを得たが、クマは諦めていない様子だった。この場所では以前にもクマと鉢合わせになった女性が追いかけられ、大声を出して撃退したことがあった。今年7月にはルーマニアを旅行中のイタリア人男性が、山道をバイクで走っていた際にクマに襲われて死亡した。男性はクマを見かけて、餌を与えようとしていたとのこと。ルーマニアでは、野生のクマにエサを与える観光客が問題視されている。過去5年間で19人が死亡、20年間で274人が重傷を負ったという。こうした事態を受けルーマニア政府は去年、年間駆除数を500頭近くに倍増。さらに今月に入って、駆除方法などについて法律の改正案をまとめた。今年4月にクマによる死亡事故があったスロバキアでも、政府が350頭の駆除を目指すと発表。これに動物愛護団体などが、駆除では問題は解決しないと反発した。
