試食した抹茶チョコレートは床に吐き捨てられてしまった。この苦い出来事がショコラティエ・大石さんの人生を左右することになった。帰国した大石さんは来る日も来る日もチョコを作り続けた。さらに有名ショコラティエのチョコを買い集めて研究に明け暮れた。2010年、製品開発室へ異動。2014年チームを率いてサロン・デュ・ショコラの品評会に出品。和食材の青じそ・ダイダイ・ピスタチオ&ヘーゼルナッツ・チャイという和洋折衷の4粒の作品。4粒全て異なる大陸産のカカオを使用した。品評会での評価は3段階で大石さんの4粒は金賞のゴールドタブレットに輝いた。翌年も和洋折衷の4粒を出品したが評価はシルバータブレットだった。帰国した大石さんは吐き捨てらてた抹茶チョコを思い出し、栄光を取り返すため翌年のサロン・デュ・ショコラに向け始動した。名だたる天才ショコラティエたちは1粒のチョコレートにストーリーを紡いでいるという。抹茶が語る物語に悩み続けた大石さんはある日気分転換に静岡の美術館へ遠出した。そこで屋外で抹茶を点てて味わう野点を見て突然インスピレーションが降りてきた。
