作家・西加奈子さん発のノンフィクション「くもをさがす」は乳がん治療の体験記で、36万部のベストセラーとなり大反響を呼んでいる。そんな西さんの都内にある仕事場を取材。子どもの頃から本を読むのと同じくらい絵を描くのが好きだった。表紙のほとんどは西さん自身が描いた。9月に5年ぶりとなる長編小説を出版。描き終わった絵を見せてくれた。これまでも忸怩の視点で社会や人間を見つめてきた。27歳でデビューし、直木賞など数々の賞を受賞してきた。これまで一貫して伝えてきたのは、「自分がどうありたいかは自分が決める」こと。カナダでの乳がんの経験はこれまで自分が書いてきたことを顧みる経験になった。具体的な治療の方針を医師と相談したとき、「」決めるのはカナコやで。あなたの体のボスは、あなたやねんから。」と言われ、この考えはその後の大きな決断にもつながった。両乳房を切除した後、胸を再建しないことを決めた。乳がんの経験を経てたどり着いたのは、自分自身が自分をどう認めるかという答え。治療を終えて新しい日常が始まったが、心の揺らぎが消えたわけではない。帰国後、再びがんになるリスクを減らすため、卵巣を切除。女性ホルモンが低下し体調不良や急な不安に襲われることもある。そんな西さんが夢中になっているのが柔術。マットの上では作家の肩書もがん経験者であることも関係ない。現在、書けなくなっても自分を愛せるかを鍛えているそう。
