オーストラリア北西部に位置するパーヌルル国立公園。公園の面積は東京都とほぼ同じで、大部分が世界遺産エリアになっている。最初に目指すのはバングル・バングル山脈。約6カ月続く雨季の間は道が水没してしまうため、乾季にしか立ち入ることができない。バングル・バングル山脈には不思議な形をした縞模様の奇岩が連なっている。その姿から、現地ではハチの巣に例えられる。奇岩は低いものでも10mを超える。赤い層と黒い層が折り重なっていて、それぞれ全く違う性質の岩だ。赤い岩は砂岩で、表面は空気にさらされ酸化して赤くなっているが内側は白く細かい砂。黒い粘土層に水をかけるとヌルヌルする。肉眼では見えない微生物のシアノバクテリアが繁殖している。約3億年前、この一帯は大きな川が海に流れ込む河口だったという。川の流れが強い時は砂が、穏やかなときには泥が流れ込み堆積して重なっていった。後に地殻変動で海底が隆起するとともにヒビ割れた部分から雨水が浸透、数千万年をかけて風化と侵食を繰り返しドーム状の奇岩になった。奇岩群の中にある白い部分は干上がった川。雨季になると川になる。この一帯にいくつも川が流れていて、今も大地を削り続けている。
