アメリカ・オレゴン州で男の子リー・アイスリー（4歳）が何者かに誘拐され、遺体で発見された。遺体は十字架のようなポーズをとらされていた。猟奇的な犯行から警察は、犯人が子供の家族に恨みを抱いていた可能性があると推測。一家は父ロバート、兄ジャスティン（9歳）と被害者 弟リー（4歳）の3人家族。また、兄ジャスティンによると、弟リーと公園を訪れてから友人とサッカーを始めたところ、知らない男がリーに話しかけていたという。
警察は目撃証言をもとに似顔絵を作成し、似顔絵の男を容疑者として捜査を進めた。しかし、父親や住民は似顔絵の男に見覚えがないという。また、遺体の検視が終わり死因が判明。リーを拉致した犯人はリーの両足に紐などを巻いて拘束し、長時間にわたって暴行を加えていたという。
事件が報道され、警察に電話が殺到した。捜査官は4歳くらいの子供が走っている姿を目撃したという場所を訪れ、付近にあった銀行の防犯カメラを確認。防犯カメラには幼い子供の姿が映っていたが、リーの失踪より2時間も前の映像だった。
捜査官がジャスティンの友人に聞き込みをしたところ、男がシェパードを連れていたという情報を獲得。その後、警察はシェパードを飼っている家を1軒ずつ調査し、怪しい男トーマスを見つけた。トーマスには幼い子供に対する暴行の前科があった。後日、捜査官が再びトーマス宅を訪れたところ、逃亡していた。警察はトーマスの行方を追った。
事件から1カ月後、リーを偲ぶ会が開かれた。偲ぶ会の最中、トーマスがリーの自宅前に現れた。トーマスを捕まえて、捜査官がトーマスを追及したところ、トーマスは「犯人を知ってる」などと話した。また、防犯カメラの設定ミスで2時間ズレていたことが判明。走る男の子が映っていた時刻は、リーが公園から消えた時刻と一致していた。防犯カメラには、リーと見られる子供が白い車に乗り込んだ瞬間も映っていた。
似顔絵とそっくりの男が見つかった。男はウェスリー・アレン（28歳）という名前で、地元の工場で働いていた。捜査官はウェスリーを聴取し、犯人だと確信。捜査官たちがウェスリーの自宅を家宅捜索したところ、「リー殺害事件の新聞記事と子供の衣服」が見つかった。
事件の真相を紹介。ウェスリーは、1人で遊んでいるリーに目をつけ、「父親の友達だ」と声をかけて家に連れていき、暴行して殺害した。また、十字架のポーズをとらせたのは、天国へいってほしいという思いからだという。警察は子供を殺害した容疑でウェスリーを逮捕。判決の結果、ウェスリーは第一級殺人で有罪となり、死刑が宣告された。