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「ジェパラ(インドネシア)」 のテレビ露出情報

無印良品は、1980年西友のプライベートブランドとして誕生した。創業当時に発売され業界をあっと言わせた「こうしん われ椎茸」。品質は同じでも、形が悪いだけで規格外となっていたものを商品化し安く販売したもの。既存の商業主義に収まることなく、本質を捉えた商品づくりは無印の原点で今に受け継がれている。インドネシア・ジェパラでは、いたる所にカポックの木が生えている。カポックは水やりや肥料を必要とせず、環境負荷の少ない植物。無印産地開発部の樋口さんが、カポックの加工場にやってきた。作業する人たちの足元には大量のカポックの実があり、その実を割ると綿毛がいっぱい詰まっている。これを繊維に加工して使う。ここで働く多くの人は、農家の女性。黒い種の回りについている綿毛を手作業で丁寧に取り出していく。無印がカポックを買うようになってから、女性たちの収入も増えた。クッションの詰め物として使われることが多かったカポックの綿毛。糸にして服にするため、品質をより高める工夫をしている。送風機を使い質の良い綿毛を遠くに飛ばすという方法。綿毛に種や皮などがついていると加工しにくくなる。遠くまで飛ばす手前で落ちたものは、この工程を繰り返す。そして混じり物がない純度の高いカポックに仕上げていく。遠くまで飛んだグレードの最も高いカポックの綿毛、空気を多く含み軽いのが特徴。重さはコットンの8分の1で、寒いときには湿気を吸い保温を助け、暑いときには湿気を放出する優れモノ。樋口さんは、このカポックで豊かとは言えな村の収入を増やしたい。無印は今、インドネシアで取れたカポックを中国に送り糸にしている。無印はカポックを原産地で糸にまでする計画を進めている。輸送コストを抑え、現地で働く人達に還元できるからだという。
最大の都市、ジャカルタ。樋口さんが頼ったのは、紡績会社”クラボウ”の海外グループ会社「クマテックス」。50年前からこの地に進出し、繊維素材の紡績を手掛けてきた。クマテックスは、コットンを始め天然繊維の高い加工技術で知られている。しかし、カポックの特徴がインドネシアでの糸作りに立ちはだかっていた。カポックは繊維が短いため糸にするのが難しいと言われている、そのため繊維の長いコットンと混ぜ合わせることで解決を図ろうとするが、上手く混ざらないという問題があった。この難問に、クマテックスは意外な解決策を見つけていた。50年前の創業当時から使っている古い紡績機、軽くて繊維の短いカポックを丁寧にゆっくり伸ばしてねじる。高速で回転する最新の機械ではできない作業。こうして作り上げたのがカポックの糸の試作品、今後量産できるように試行錯誤を重ねていく。無印と日本の技術力とでカポックの未来が一歩前進した。
この日、樋口さんは新たなカポックの産地があると聞いて尋ねることに。この場所では、盛んにカポックが植えられているという。カポックは1度植えると、大木に育ちながら何十年にも渡ってCO2を吸収する。そして、優れた天然素材を生み続ける。細い1本の木に、樋口さんは未来への思いを託す。

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