2025年5月16日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【無印良品、その舞台裏】「衣・食・住」それぞれの挑戦

出演者
長谷川博己 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

無印良品、その舞台裏
”世界最大”無印良品が誕生 売り切れ続出…大人気「弁当箱」

今年3月奈良県橿原市に、巨大な施設が誕生した。”世界最大”の無印良品。広大な売り場には無印が扱う7000以上の商品がほぼ全て揃っている。人気のレトルトカレーコーナーや、地元にちなんだお土産物まで。古い家具をリメイクして販売していたり、色ムラや傷がある訳ありの食器なども扱っていたりする。郊外型の店舗ながらオープン初日には約2万人が駆け付けた。

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橿原市(奈良)無印良品 イオンモール橿原

一方、東京・有明にある都市型店では。今、売れに売れているのが「ランチカプセル」という縦型の弁当箱。3月に発売以降、想定の3倍の売れ行きとなった。縦型なので、面倒な盛り付けを機にする必要がない。蓋の内側に付いている小さなカップに、ソースやタレを入れることもできる。無印で人気の食品と組み合わせ、満足度の高い食事にすることも。弁当作りに手間をかけたくないという人にはもってこいの形、ちょっとした生活課題を解決しようという戦略。お客さんの反応も上々。国内外に1368店舗を展開する無印良品、運営する良品計画の売上高は約6617億円。10年前の約3倍。”無敵の無印”の強さに迫る。

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トッピングカップ付きランチカプセル江東区(東京)無印良品
復活!憧れの”団地暮らし”

見た目は古き千葉県・花見川団地。3月上旬、年に2回開催される「花見川団地フェスタ」が開催されていた。無印も商店街の空き店舗を借り、店を開いていた。陣頭指揮を取るのは、千葉事業部の加藤麻子さん。花見川団地が完成したのは1968年、当時日本最大の規模を誇った。団地暮らしは庶民の憧れの的だった時代。高い倍率を制して手に入れた最新の生活は活気にあふれていた。しかし、あれから50年以上。建物は老朽化し、住民も4割が70歳以上となった。人口もピーク時の半分に。こうした課題は、花見川だけに限らない。そこで無印は、2012年から都市再生機構と組み団地のリノベーションに取り組んでいる。壁を取り除いた広い空間や、シンプルで機能的な内装が人気。花見川団地にもリノベーションした物件がある、一年前都内から引っ越してきたという御夫婦のお宅。そして無印は、今年1月団地を丸ごと活性化させる新たなプロジェクトに乗り出した。コーヒーショップなどを独自に誘致し、人が集まれる拠点を作っている。店舗の2階にも新たな仕掛け、今ある団地の部屋に無印の家具を置くだけで新たな暮らしを提案しようというプロジェクト。2週間後、最初の家具が届いた。和室にシングルベッド2つを置いて寝室を作る。実際に家具を置いてみると、リアルな生活のイメージが膨らんでくるという。計画を進めるにあたり、加藤さんが大事にしたのはこの団地に暮らしている人たちの声。30代の夫婦は、1年半前都心から移り住んで来た。新たな団地暮らしに求められるのは、”便利さ”だけではないというヒントを加藤さんはもらった。数ある無印の商品から、厳選した家具や収納用品が次々と届く。住人たちの声を聞き取り、たどり着いたシンプルな組み合わせのインテリア。ショールームが完成した。

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リバーサイドしろきた団地千葉市(千葉)多摩ニュータウン無印良品箕面市(大阪)箕面粟生第3船橋市(千葉)芝山団地花見川団地花見川団地フェスタ都島区(大阪)都市再生機構

4月上旬、完成後初めての週末。団地の住人や近所の人が次々とやってきていた、安心して過ごせる場所がほしいと言っていた女性も来てくれた。女性が気になる場所を見つけた、向かった先は古い団地ならではの押入れ。それをワークスペースに変えていたのだ。使い勝手が悪い仕切りを机に使い、無印の収納グッズを並べている。昔ながらの団地に工夫を凝らす、無印ならではのシンプルなインテリアをゆとりある暮らしに結びつけた。暮らしの声を今後の商品開発につなげていく。

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無印良品
”未知なる天然素材”に挑む!

無印で4割近い売り上げを誇るのが”衣料品”、特にオーガニックコットンなど天然素材にこだわったものが多く、それが人気の理由。そして今、新たな天然素材の開発が進んでいた。その舞台は、インドネシア。入社28年のベテラン・樋口直人さんは、産地開発部に所属している。その使命は、世界各地を回り新たな素材を探し出すこと。これまで、インドのオーガニックコットンやペルーのアンデスウール、中国のヘンプなど、希少な天然素材を製品化してきた。今回インドネシアでは首都・ジャカルタから500km以上、加工場に向かう途中の林の中で見つけた一際大きな木。拾い上げたのは、カポックという木の実。樋口さんはこの”カポック”から、どんな商品を作り出そうというのか。

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ジャカルタ(インドネシア)無印良品
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”魅惑の天然素材”産地を救う

無印良品は、1980年西友のプライベートブランドとして誕生した。創業当時に発売され業界をあっと言わせた「こうしん われ椎茸」。品質は同じでも、形が悪いだけで規格外となっていたものを商品化し安く販売したもの。既存の商業主義に収まることなく、本質を捉えた商品づくりは無印の原点で今に受け継がれている。インドネシア・ジェパラでは、いたる所にカポックの木が生えている。カポックは水やりや肥料を必要とせず、環境負荷の少ない植物。無印産地開発部の樋口さんが、カポックの加工場にやってきた。作業する人たちの足元には大量のカポックの実があり、その実を割ると綿毛がいっぱい詰まっている。これを繊維に加工して使う。ここで働く多くの人は、農家の女性。黒い種の回りについている綿毛を手作業で丁寧に取り出していく。無印がカポックを買うようになってから、女性たちの収入も増えた。クッションの詰め物として使われることが多かったカポックの綿毛。糸にして服にするため、品質をより高める工夫をしている。送風機を使い質の良い綿毛を遠くに飛ばすという方法。綿毛に種や皮などがついていると加工しにくくなる。遠くまで飛ばす手前で落ちたものは、この工程を繰り返す。そして混じり物がない純度の高いカポックに仕上げていく。遠くまで飛んだグレードの最も高いカポックの綿毛、空気を多く含み軽いのが特徴。重さはコットンの8分の1で、寒いときには湿気を吸い保温を助け、暑いときには湿気を放出する優れモノ。樋口さんは、このカポックで豊かとは言えな村の収入を増やしたい。無印は今、インドネシアで取れたカポックを中国に送り糸にしている。無印はカポックを原産地で糸にまでする計画を進めている。輸送コストを抑え、現地で働く人達に還元できるからだという。

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最大の都市、ジャカルタ。樋口さんが頼ったのは、紡績会社”クラボウ”の海外グループ会社「クマテックス」。50年前からこの地に進出し、繊維素材の紡績を手掛けてきた。クマテックスは、コットンを始め天然繊維の高い加工技術で知られている。しかし、カポックの特徴がインドネシアでの糸作りに立ちはだかっていた。カポックは繊維が短いため糸にするのが難しいと言われている、そのため繊維の長いコットンと混ぜ合わせることで解決を図ろうとするが、上手く混ざらないという問題があった。この難問に、クマテックスは意外な解決策を見つけていた。50年前の創業当時から使っている古い紡績機、軽くて繊維の短いカポックを丁寧にゆっくり伸ばしてねじる。高速で回転する最新の機械ではできない作業。こうして作り上げたのがカポックの糸の試作品、今後量産できるように試行錯誤を重ねていく。無印と日本の技術力とでカポックの未来が一歩前進した。

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カポッククマテックスジャカルタ(インドネシア)倉敷紡績

この日、樋口さんは新たなカポックの産地があると聞いて尋ねることに。この場所では、盛んにカポックが植えられているという。カポックは1度植えると、大木に育ちながら何十年にも渡ってCO2を吸収する。そして、優れた天然素材を生み続ける。細い1本の木に、樋口さんは未来への思いを託す。

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カポックボンド村(インドネシア)
”米騒動”が直撃…大損失

千葉県鴨川市にある「里のMUJI みんなみの里」。ここは無印が全国に先駆け展開する、地域密着型の店舗。売りの一つは、地元の農家が毎日運んで来る直売所の野菜。その一角では、無印が手掛けた”米”も売っていた。鴨川市で作った「プリンセスサリー」、国産米の甘みとインディカ米の香りを併せ持つ品種。特にスパイシーな料理と相性が良いコメ。無印が旗振り役となって、2年前から地元の生産者に作ってもらっている。鴨川は昔から品質の良いコメが取れることで知られていて、今も農地の8割が水田。しかし、魚沼産コシヒカリなど有名ブランドとの価格に大きな差がある。付加価値の高いコメを作ることが長年の課題だった。新しいコメ作りを地元に提案したのは、佐藤一成さんを中心とするソーシャルグッド事業部。佐藤さんたちは、プリンセスサリーを全国の無印で販売し地元に還元したいと考えた。無印は取れた品質に関係なく高値で全量買い取る仕組みを実施し、生産者の所得向上を図ろうとしていた。その新たな取り組みを襲ったのが”令和の米騒動”。鴨川産コシヒカリの価格が急上昇し、プリンセスサリーの買取額を上回ってしまった。無印が考えた仕組みそのものが由来でしまったのだった。佐藤さんはプリンセスサリーを継続して栽培してもらえるように生産者を回っていた。佐久間考人さんは、最初から参加してくれた人の1人。初めて扱う品種のため、試行錯誤を繰り返している。引き続き栽培することは承諾してくれたが、一般的なコメの引き合いが多いため、プリンセスサリーを増やしたくないという。

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この日は、来年の契約条件を伝えるために、プリンセスサリーを作っている生産者に集まってもらった。佐藤さんは市場の値上がりを考慮し、これまでより25%アップした有名ブランドに負けない買取価格を提示した。さらなる値上げも検討すると伝えたが反応はなかった。鴨川の中でも味の良いコメを作ることで知られる川名一将さんは、プリンセスサリーの生産者の中では最も広い面積を作付けしてくれている。川名さんのコシヒカリは、千葉米食味コンクールで最高賞を受賞したほど。温暖化が進む中で危機感を抱き、だからこそ暑さに強いプリンセスサリー作りに参加してくれたという。しかし、栽培2年めにして突然プリンセスサリーの収穫量が大幅に減少したため、150万円もの損失が出たという。一方、コシヒカリの価格は一気に上昇した。30年以上やってきて初めての経験だったという。このままプリンセスサリーを続けるかどうか、決めかねていた。そこへ佐藤さんが、直談判にやってきた。

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まさかの窮地…農家が決断

去年の暮、無印良品の佐藤さんが訪ねてきたのは、千葉県鴨川市のコメ農家。待ち構えていたのは川名さんだった。プリンセスサリーの栽培を継続してもらえないか頼みに来た佐藤さん、川名さんの心は揺れていた。粘る佐藤さんだったが、その後川名さんから”来年は栽培を辞める”という正式な連絡があった。

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プリンセスサリー無印良品鴨川市(千葉)
生産者がつなぐ”未来のお米”

2月下旬、鴨川市から約100キロ離れた千葉県香取市。無印のソーシャルグッド事業部の佐藤さんたちが、プリンセスサリーを新たに栽培したいという生産者に種籾を渡しにやってきた。今年、新たに8人が栽培してくれることになった。

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(エンディング)
エンディング

エンディング映像が流れた。

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