千葉県鴨川市にある「里のMUJI みんなみの里」。ここは無印が全国に先駆け展開する、地域密着型の店舗。売りの一つは、地元の農家が毎日運んで来る直売所の野菜。その一角では、無印が手掛けた”米”も売っていた。鴨川市で作った「プリンセスサリー」、国産米の甘みとインディカ米の香りを併せ持つ品種。特にスパイシーな料理と相性が良いコメ。無印が旗振り役となって、2年前から地元の生産者に作ってもらっている。鴨川は昔から品質の良いコメが取れることで知られていて、今も農地の8割が水田。しかし、魚沼産コシヒカリなど有名ブランドとの価格に大きな差がある。付加価値の高いコメを作ることが長年の課題だった。新しいコメ作りを地元に提案したのは、佐藤一成さんを中心とするソーシャルグッド事業部。佐藤さんたちは、プリンセスサリーを全国の無印で販売し地元に還元したいと考えた。無印は取れた品質に関係なく高値で全量買い取る仕組みを実施し、生産者の所得向上を図ろうとしていた。その新たな取り組みを襲ったのが”令和の米騒動”。鴨川産コシヒカリの価格が急上昇し、プリンセスサリーの買取額を上回ってしまった。無印が考えた仕組みそのものが由来でしまったのだった。佐藤さんはプリンセスサリーを継続して栽培してもらえるように生産者を回っていた。佐久間考人さんは、最初から参加してくれた人の1人。初めて扱う品種のため、試行錯誤を繰り返している。引き続き栽培することは承諾してくれたが、一般的なコメの引き合いが多いため、プリンセスサリーを増やしたくないという。
この日は、来年の契約条件を伝えるために、プリンセスサリーを作っている生産者に集まってもらった。佐藤さんは市場の値上がりを考慮し、これまでより25%アップした有名ブランドに負けない買取価格を提示した。さらなる値上げも検討すると伝えたが反応はなかった。鴨川の中でも味の良いコメを作ることで知られる川名一将さんは、プリンセスサリーの生産者の中では最も広い面積を作付けしてくれている。川名さんのコシヒカリは、千葉米食味コンクールで最高賞を受賞したほど。温暖化が進む中で危機感を抱き、だからこそ暑さに強いプリンセスサリー作りに参加してくれたという。しかし、栽培2年めにして突然プリンセスサリーの収穫量が大幅に減少したため、150万円もの損失が出たという。一方、コシヒカリの価格は一気に上昇した。30年以上やってきて初めての経験だったという。このままプリンセスサリーを続けるかどうか、決めかねていた。そこへ佐藤さんが、直談判にやってきた。
この日は、来年の契約条件を伝えるために、プリンセスサリーを作っている生産者に集まってもらった。佐藤さんは市場の値上がりを考慮し、これまでより25%アップした有名ブランドに負けない買取価格を提示した。さらなる値上げも検討すると伝えたが反応はなかった。鴨川の中でも味の良いコメを作ることで知られる川名一将さんは、プリンセスサリーの生産者の中では最も広い面積を作付けしてくれている。川名さんのコシヒカリは、千葉米食味コンクールで最高賞を受賞したほど。温暖化が進む中で危機感を抱き、だからこそ暑さに強いプリンセスサリー作りに参加してくれたという。しかし、栽培2年めにして突然プリンセスサリーの収穫量が大幅に減少したため、150万円もの損失が出たという。一方、コシヒカリの価格は一気に上昇した。30年以上やってきて初めての経験だったという。このままプリンセスサリーを続けるかどうか、決めかねていた。そこへ佐藤さんが、直談判にやってきた。