2025年4月25日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【看護師が足りない!〜医療崩壊は防げるか〜】

出演者
長谷川博己 
(オープニング)
オープニング

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看護師が足りない!
重労働に低賃金で看護師が不足!

3月13日東京・目黒区。国立東京医療センターが物々しい雰囲気に包まれていた。この日、早朝の1時間限定で看護師がストライキを決行した。この動きは全国1000以上の病院・介護施設などで実施していた。同じ頃、各地の繁華街ではデモ行進が。看護師たちはもっと人を増やし賃金を上げてほしいと訴えた。2020年厚労省の発表では、看護職は全国で約173万人。5年後の今年には最大27万人不足との予測もあった。有効な手が打てないまま恐れていた自体が現実になった。

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厚生労働省国立病院機構 東京医療センター目黒区(東京)福岡資麿
大量退職でピンチ!病院は…

看護師の大量退職、その現実に直面している「西淀病院」。病床数218、看護師約160人。救急も24時間受け付ける地域に密着した中規模病院。6階の急性期病棟で患者に親しげに話しかけているのが、主任の弥永遥さん。看護師になって15年の中堅。4年後輩の二木さんと患者の情報を共有する。この病院では看護師2人で14、15人の患者を受け持つ体制を取っていた。シフト作りも弥永さんの仕事の1つ、いつも頭を悩ませている。看護師160人規模の病院だが、この1年間で30人が退職した。以前にも増してシフト作りに苦労している。看護師不足は日本全国で深刻化する問題。

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京都新聞河北新報西淀川区(大阪)西淀病院

この日、西淀病院に異変が。病院が細心の注意を払い対処しているコロナ、恐れていた事態が起きてしまった。コロナ患者を隔離するために6階フロアだけで50あるベッドを総入れ替えして行く。この時、弥永さんは退勤時間を過ぎていた。2歳の娘を保育園に迎えに行く時間が迫っていた。迎えの時間にはなんとか間に合った。弥永さんの日常はいつも時間に追われている。

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西淀病院

次の日の夜、弥永さんとペアを組んでいた二木さん。この日のシフトは準夜勤。西淀病院は3交代のシフト制で、日勤の他に準夜勤と深夜勤がある。夜勤の前の日は大抵休みだが、夜勤のための寝る時間でしかない休みで休みとは言えないという。看護師の年収は全職種で見ると平均的、しかし夜勤や残業の割合も多く、何より命を預かる激務。西淀病院でもこうした状況から退職が相次ぎ、残った人たちの夜勤が更に増える悪循環が続いていた。弥永さんにも夜勤が回ってくる。子育て中の看護師の夜勤は月2回までと決められているが、人手不足のため弥永さんは月4回ほど自らをシフトに入れている。こんな日は2歳の娘を夫がみてくれる。この日は午前2時に帰宅した。翌朝、3時間だけ寝て公園で子どもと遊ぶ弥永さんの姿が。寂しい想いをさせた埋め合わせだという。こうしたひとときが弥永さんの元気のもとにもなっている。

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西淀病院賃金構造基本統計調査

朝9時、日課である入院患者のベッドの移動について話し合いが行われていた。ベッドの稼働率は病院の利益の生命線。厳しい表情で指示を出すのは、看護部長の小玉裕加子さん。西淀病院に入って30年、6年前に看護部長に就任した。今では病院の経営幹部の1人。看護師の大量退職に責任を感じていた、しかしそれには原因があった。病院の収益は国が定めた診療報酬で算出される、点数は入院料や手術内容など細かく定められていて、病院側が勝手に変えることはできない。しかし2024年度の制度改定では、内科の入院料の評価が引き下げられた。外科のない西淀病院は年間で約3000万円の減収が見込まれた。ただでさえ逼迫した医療、看護師の確保に予算が割けなくなった。この日、小玉さんは経営側の立場で大事な話し合いがあった。待っていたのは、西淀病院の労働組合委員長・曽我部日和さん。ストライキにも曽我部さんは病院を代表して参加していた。労働組合としては、「3万円以上のベースアップ」と「定期昇給」を要求。お互いの立場は理解しつつも厳しいやり取りが続いた。

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人手不足解消の一手!?変化は…

去年看護師が大量に退職した、大阪の西淀病院。看護部長の小玉さんが、ある対策を実行に移した。4月1日から夜勤専従者を配置することになったという。夜勤専従の第一号が松木さん、日勤がないため生活のリズムは作りやすいという。夜勤は6000円以上の手当が付くため、多く入りたいと希望する看護師もいる。そこで体力のある若い人に専従になってもらい、他の看護師の夜勤を減らそうと考えた。根本的な解決ではないが、一歩前進した。すると、時間に追われるだけの看護ではやりがいがないと言っていた二木さん。この日、患者さんを外に連れ出した。入退院を繰り返す患者さんが桜を心待ちにしていたことを覚えていたから。患者一人一人に寄り添った看護をしたい、それが多くの看護師たちの願い。

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西淀川区(大阪)西淀病院
”卵”も激減!?それでも夢に挑む!

厳しい業界にあえて飛び込もうとする若者たちがいる。石川県七尾市にある、能登で唯一の看護専門学校。全国の看護学校の入学者数は、2018年をピークに大きく減少。七尾看護専門学校も例外ではない。去年の元日に起きた能登半島地震では校舎も被害を受けた。震災後は入学希望者がかつての半分以下に激減した。このままでは看護師の卵すら足りなくなってしまう。そんな中、目標に向かって励む生徒たち。自主勉強をしていたのは輪島市出身の大積紅愛さん。震災前に入学した大積さんたち3年生は33人、国家試験を間近に控えている。試験に合格すれは6割以上が能登の病院に就職する予定。年1回の国家試験、落ちれば来年まで待たなければならない。

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七尾市(石川)七尾看護専門学校令和6年 能登半島地震市立輪島病院輪島市(石川)

七尾市から北に約60キロ離れた輪島市、地震の被害が大きかったこの地域では未だに爪痕が色濃く残っていた。そんな場所で以前のように営業を続ける店がある、ここは大積さんのお父さんが営む理容室。看護師になるため七尾市で一人暮らしをする紅愛さん、時間を縫って会いに来るという。お父さんの健康を気遣う紅愛さん、一方でお父さんも娘のことを心配していた。約2万2000人いた輪島市の人口は、震災後2万人を切った。近所の袖ヶ浜海水浴場は、紅愛さんが幼い頃からよく遊んだ思い出の場所。

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ヘアーサロン おおつみ七尾市(石川)袖ヶ浜海水浴場輪島市(石川)

七尾看護専門学校の3年生には6人の男子がいる、その1人佐竹龍星さんはこのクラスの委員長。この日の午前中は、試験前最後の自習時間。佐竹さんは、躓きやすい問題を自らまとめクラスメイトに教える。七尾看護専門学校の去年の国家資格合格率は87.1%、震災の影響を受け全国平均を下回った。だからこそ、今年は全員合格が学校を挙げての悲願だった。さらに佐竹さんには目指すものがあった。災害現場に出向き活動する、災害看護師。能登半島地震の際もいち早く現地に来て、被災者を医療の面から支えてくれた。目標が出来てから一層勉強に身が入るようになったと佐竹さんは言う。

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七尾看護専門学校令和6年 能登半島地震

2月15日、国家試験前日。金沢のホテルに前乗りした生徒たちは、それぞれ遅くまで勉強していた。志願者が減っている看護師だが、大積さんにも頑張れる理由がある。最後の追い込みは夜遅くまで続いた。翌日、試験会場まではクラス全員で移動する。国家試験は全国43か所の会場で一斉に行われる。到着するとクラス委員長の佐竹さんが、前に出てクラス全員を鼓舞した。いよいよ運命の時、試験は5時間あまりの長丁場。

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七尾看護専門学校
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運命の国家試験…それぞれの結末

3月7日、七尾看護専門学校「卒業式」が行われた。看護師国家試験の合格発表はまだ先だが、学生生活はこれで終わり。人生を大きく変えた3年間だった。大積さんのお父さんが理容室を休んで妹と駆けつけてくれた。残すは合格発表だけ。3月24日合格発表の日、生徒たちが次々と報告に訪れる。今年の合格者数は33人中30人。目標の100%は達成出来なかったが、全国平均は上回った。

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七尾看護専門学校中村耕一郎

4月1日、東京・文京区。日本初、高度救命救急センターに指定された日本医科大学付属病院で、この日は入職式。209人の新人看護師の中に佐竹さんの姿があった、国家試験を突破し憧れの病院で働くことになった。さらに、救急部門への配属も決まっていて早速研修。目標の災害看護師になるために学ぶことがたくさん待っている。

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文京区(東京)日本医科大学付属病院
苦難の先に見据える夢とは

4月1日輪島病院、ここでも入職式が行われていた。今年の新人看護師は5人。地元の医療を支えたい、大積さんも夢を叶えていた。早速、乗り越えなければならない試練。まずは新人同士で採決、記念すべき一歩を踏み出した。

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市立輪島病院輪島市(石川)
(エンディング)
エンディング

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