これまでバイデン政権はLGBTQなどの性的少数者の人たちの平等といった多様性を推進する立場だった。この演説と並行する形でトランプ大統領は「ジェンダー過激主義から女性を守る」というタイトルの大統領令を出しており、男女2つの性別だけ認め性別は変更できないということなどがうたわれている。また、バイデン政権ではパスポートの性別欄に男性でも女性でもない性の認識を示すXを選べるようになったが、今回の大統領令ではこれを明確に否定。パスポートなどは男女の性別だけにすることを求めている。就任に先立つ演説では男性を女性のスポーツから締め出すとトランスジェンダーの女性の女子スポーツへの参加禁止を示唆し、去年12月にも差別的な言い方でトランスジェンダーの人たちに敵意をむき出しにしていた。更に、去年の後半からは米国国内の有名企業で多様性を見直す動きが相次いでいる。一方でコストコやアップルなどは多様性の取り組みを継続する方向で、米国最大のLGBTQの権利擁護団体は声明で「これらの有害な措置に全力で反撃する」などと述べている。三牧聖子准教授は「どれほど多様性について真剣に考えているかが表れる局面だ」などと指摘している。日本のジェンダーギャップ指数はG7で最下位のまま。次原悦子さんは「日本は先進国と同じレベルになるのはまだまだ先の話で多様性の重要さは変わらない」としている。