陣内孝則はバンドとしてデビューし、「かつては不良性がないとロックバンドって言えないっていう風潮があった」と振り返った。当時、ビートルズ、クイーン、エアロスミスらの曲が流行っていて、女性にモテるならバンドと思っていたという。その後、石井岳龍監督に注目され、陣内は「爆裂都市 BURST CITY」に出演。83年、25歳の陣内は「おゆう」に起用されたが、裏番組は最高視聴率62.9％を記録した「おしん」。陣内は「おしんよりも可哀想な男優」と評されたという。
陣内は役者業で忙しくなると楽曲制作に力を注げなくなったという。また、忘れられない俳優に「古畑任三郎」で共演した田村正和、内田裕也を挙げた。ホテルから歩いて50m先に目当ての店があるのに、田村はリムジンに乗り、「僕はNGは出さない」とアピールしていたが、陣内はうまくごまかしていたと回想した。陣内は内田を「ブレない、媚びない、すぐ怒る」と評し、勝新太郎主演の「座頭市」の撮影で内田は死に方に不平不満を唱えていた。2005年の「みんな昔は子供だった」で陣内は子役だった伊藤沙莉と共演し、異彩を放っていたという。