赤澤大臣と会談したベッセント財務長官は米メディアのインタビューに応じたが、話題は中国やインドを巡る対応が中心で、日本への関税措置についての言及はなかった。一方赤澤大臣は記者団に対し「アメリカとの間で日米合意の内容に齟齬はなく、米側から大統領令を適時修正する措置をとるとの説明があった」と明らかにした。トランプ政権は日本より後に合意を発表したEUについては大統領令で特例措置を講じていて、日本に対しても同様の措置をとることになる。今回の問題を巡ってホワイトハウスの関係者はNHKの取材に対し「日本には従来の税率に一律で15%を上乗せするという認識だった」と説明していて、日本との間では食い違いが生じていたとの指摘が出ている。交渉の関係者は「通商交渉は合意に達するよりも、合意の詳細を詰め実行に移す方が難しい」と口を揃える。日本政府が日米合意を文書にしなかったことについて米政府の元高官や交渉の関係者は「双方の詳細な合意内容を盛り込むには時間がかかる。日本経済の屋台骨である自動車への関税の引き下げを少しでも早く実現させたいという強い思いが背景にあった」と指摘している。