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「スムーズ横断歩道」 のテレビ露出情報

交通安全に欠かせない信号機、千葉県では維持管理コストが年間40億円と県警の交通予算の実に4割を占めている。コストを抑えるため新たな設置が難しくなっているほか、老朽化した信号機の更新も先送りせざるをえないなど影響も出ている。千葉県印西市の交差点では信号機の設置を要望しているがまだかなっていない。この交差点は比較的交通量が多いが、見通しが悪く去年には死亡事故が発生。地域の人たちが警察などに信号機設置の要望書を提出したが、設置のめどは立たず理由も示されなかった。加藤庄一地区長は「もうこれ以上の死亡事故は出さない。信号機の設置を強く要望します」と話した。千葉県内にある信号機はおよそ8500あり、新設の要望は年間およそ300件あるが実際に新設されるのは10程度にとどまっている。千葉県警察本部交通規制課・山田靖弘課長代理は「維持管理に要する経費は高止まりしている状況です。必要なところには信号機をつけているので全ての要望にお応えできていないのが現状です」などと話した。高止まりするコストは老朽化した信号機の更新にも影響をもたらしている。市川市の県道に設置されている信号機では心臓部となる制御器は国が定める更新の目安が19年だが、25年たってようやく新しいものに取り替えられた。県内で更新目安を超えて運用されている信号機は全体の2割に上る。警察は安全性を確認しつつ更新の頻度を減らすことでコスト削減につなげたいとしている。
池田侑太郎記者のスタジオ解説。更新の目安を超えた信号機の運用は全国各地に広がり全国の信号機の24%に上っている。警察庁は5年前、必要性の低いものは撤去するなど信号機全体の再編を進めるように全国の警察に求めている。信号機はかつてマイカーが普及し交通事故が相次ぐ中で増える一方だった。しかし人口が減少し自治体の財政が厳しくなる見通しの中では交通安全の予算も選択と集中を行う必要がある。その中でいま進められているのが信号機によらない安全対策。市原市に去年設置されたスムーズ横断歩道では、路面が歩道と同じ高さまで盛り上がっていてドライバーに減速などを促す効果があるとされている。ほかにラウンドアバウトという環状交差点や二段階横断歩道なども挙げられている。交通政策に詳しい埼玉大学の久保田尚名誉教授は「信号機は交通安全には欠かせないが別の対策のほうが効果的な現場もある」としたうえで「最適な対策を導入していけば合理的に安全を確保しつつコスト削減が可能なのではないか」と話していた。交通安全とコスト削減を両立させるには住民や警察などが地域の交通のあり方についてさまざまな選択肢を備えて考えていくことが大切だ。

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