「ゴリラ裁判の日」は第64回メフィスト賞を満場一致で受賞などの小説。アフリカ保護区のジャングルで生まれたメスゴリラのローズは高い知能を持っていて、人間の研究者から教わった手話を用いて人間とコミュニケーションがとれる。ローズはある時アメリカの動物園で暮らすことになり、そこで出会ったオスゴリラのオマリと夫婦関係を構築する。ある日ゴリラの囲いの中に4歳の人間の子どもが侵入し、子どもに近づいたオマリが安全を優先した園長の判断で銃殺された。夫の死を受け入れられないローズはゴリラの命を軽視しているとして動物園を相手に裁判を起こすも、陪審員は人間の命が大切との結論を出して訴えを棄却した。ローズはは動物園には戻らずに裁判から1年経ったある日負けなしの弁護士のダニエルと出会い、再び裁判を起こすことを決意した。2度目の裁判ではダニエルが人間と動物の命の違いを問いかけ、前代未聞の戦いが始まる。