1997年11月19日、台湾・台北市で南アフリカ大使館の外交官、マクギル・アレクサンダーは午後7時に帰宅。家のなかは12歳の娘、クリスティーンが弾くピアノの音色が響いていた。マクギルは2Fにいる妻・アンと生後7か月の赤ちゃんのもとへ向かった。ピアノの音色が止まったのでマクギルは娘の元へ行くと拳銃を持った男がいた。この男は7か月前に起きた女子高生誘拐殺人事件の犯人だった。犯人グループは女子高校生を誘拐し6億円を要求し、失敗したため女子高生を殺害した。主犯格の3人は暴行、殺人など20以上の犯罪を繰り返していた。警察は3人を追い詰めていたが2人は拳銃で自殺。チェン・ジンシンだけは取り逃がしていた。アレクサンダーら4人は手足を縛られ身動きができない状態となった。犯人の最初の目的はCNNに連絡を取り、この事件を世界的なメディアに知らせ国際問題に発展させることだった。さらに犯人は警察にも自ら電話。警察が駆けつけると犯人は室内の電気を消しバリケードを設置した。すると、警察官の1人がいきなり発砲。当時警察ではチェン・ジンシンを逮捕、射殺した警官には報奨金が与えられ2階級昇進が約束されていた。そのため警官は手柄を立てるため必死になっていた。銃撃戦に発展、犯人は長女を捕まえ盾にした。警察署の署長は外交官宅に電話し犯人を説得。チェン・ジンシンの要求は妻と弟の釈放することだった。妻と弟は逃亡を手助けした罪で逮捕されていた。特殊部隊は外交官宅に突入。それに気づいた犯人は発砲。再び銃撃戦が始まった。犯人が撃った弾はマクギル・の膝を貫通。長女も背中を撃たれていた。