南アジアに位置する人口3000万人の国ネパール。世界遺産に登録される歴史的建造物が立ち並ぶ風光明媚な国だが、去年11月マグニチュード6．4の地震が発生。死者150人以上、被災者約20万人。あれから半年、現地で撮影された映像をみると、倒壊した家屋や瓦礫の数々がいまだに残っている。日本から首都カトマンズを経由して地震で被害を受けた山岳地帯へ向かった。震源から約15キロ、大きな被害を受けたカルパス地区。地震から半年がたっても壊れた家はそのまま。地下数メートルに基礎を作り家を建てることが多いネパールの住宅。基礎に密着した1階部分は比較的安定しているものの、2階以上は天井の崩落などが相次いだ。住民の姿は全く見当たらない。実はこのあたりは地震によって地盤が緩み、半年たった今もたびたび土砂崩れが発生するなど危険な状態で、ほとんどの人が移住したという。そんな中、仮設住宅を作る人がいた。家を失った住民の多くは、崖から少し離れた位置にある仮設住宅へ移住。仮設住宅が建てられているのは、もともと畑があった場所。多くの人が安全な住まいを作るために唯一の収入源である畑をつぶして家を建てた。この一帯ほとんどの人が現在無職。子供を失い、仕事を失い、明るい未来も失った。
去年11月マグニチュード6．4の地震が発生したネパール。この日は、また別の被災地へ。いまなお雨が降ると、土砂崩れが起きることもあるという地域、そこに今も住み続ける人と出会った。彼女は「見捨てられた」と訴える。