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「チョコバナナクレープ」 のテレビ露出情報

大阪市内にある「クマの手カフェ」。4年前にオープンしたこの店は可愛らしいマドレーヌが乗ったチョコパフェなどのスイーツが人気。顔の見えない小窓から注文すると壁の穴からクマの手が伸びて商品を渡してくれる。クマの手に扮していたのは23歳のあいさん(仮名)。スムーズに説明するあいさんだが、「人と関わることが苦手」だという。実はこのカフェで働いているのは引きこもり・うつ病・適応障害など様々な事情で対人関係に不安を抱える人たち。店を運営するのはカウンセラーなどを養成する一般社団法人「メンタルサポート総合学園」。メンタルが繊細な人でも安心して働ける場所を提供したいという思いから、お客さんと直接顔を合わせずに働けるこの店を始めた。運営する学園の代表は「この店を社会復帰のきっかけにしてほしい」という。店では学園の卒業生もスタッフとして彼らが安心して働けるようサポートしている。中学生の時に不登校となり高校にも通えず引きこもりがちだったというあいさん。「働くことで社会とつながりたい」という思いで1年半ほど前からここで働き始めた。いまではテキパキパフェを作り、モニターを見ながらお客さんを積極的にコミュニケーションを取る。クマの手を通してお客さんと接することで前向きになれたというあいさん。それは働くスタッフだけではなくお客さんも。店内に貼られたお客さんからの手紙にも「学校での人間関係で悩んでいました。でもここへきて少し頑張ってみようかなと思えました」「あなたと手をつなげたことで私の心は軽くなりました」などの声が。
現在12人の“繊細な人”が働くこの店。8月から新たなスタッフが。人と接することが少し苦手だという23歳のゆうさん(仮名)。クマの手ごしの接客はだいぶ慣れてきたが、お客さんとのやり取りはまだ緊張している様子。それでもお客さんの反応に思わず笑みがこぼれる。中学3年生のときに人間関係の悩みなどから不登校となったゆうさん。塞ぎ込む日々が続き、外に出ることも難しい時期もあったという。通信制の高校・大学に進学し、現在は心理学を学んでいるゆうさん。父親からこのカフェのことを教えてもらい、働きたいと思うようになったという。ここでの仕事に慣れてきたゆうさんは新たなステップに進むことに。カフェと同じビルの5階にあるクレープ店「クマの手クレープ」。対面での接客があるこの店はスタッフの社会復帰に向けた次のステップとして今年8月にオープンした。ゆうさんも10月から働き始めることに。迎えた初日、「不安だけど対面の接客に挑戦したい」。ゆうさんには「昔接客業をかじったりしていたんですが、その時はどうしても人との関わりがしんどくて辞めてしまった。でももう一度チャレンジしたいと思って(この店に)応募させてもらったので、こういう人と対面するような環境でもう一回頑張れたらいいな」という思いがあった。そしてこの日初めての機会が。緊張しながらもなんとか接客できたゆうさん。徐々に接客にも慣れていく。しかし「『ありがとう』って言われたのに返せなかった」という場面も。そんなときも店長・福田さんが優しく声を掛ける。ちょっとしたつまずきで自信を無くしそうになっても大丈夫。ゆっくり、少しずつ社会の中へ。ゆうさんは次のお客さんの「ありがとうございます」には笑顔で会話ができた。誰かとつながることで少し前に進める、「クマの手」はそんな人たちの未来へ踏み出すきっかけとなっていた。

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