山本は本棚には旅の本がぎっしり詰まっていたが1996年には早稲田大学法学部に入学し、夏休みや冬休みになると、海外に出かけてゆく先々で出会った個性的なホテルに心を奪われたという。大学を卒業後にはJPモルガンなどの外資系証券会社に働いたがいつか自分のホテルを作ってみたいという夢は持ち続けた。そんな山本をヘッドハンティングしたのは投資会社のフォートレス・インベストメント。ホテル事業を開始するにあたり、山本に白羽の矢をたてた。転職した山本が担当したのはウィークリーマンション東京の買収。その前進はツカサのウィークリーマンション。80年代に二週間単位で部屋を借りることができるという新しいビジネスモデルで話題になった会社。フォートレスはウィークリーマンションをホテルに改装していき、ホテル運営の会社も立ち上げた。それがマイステイズ・ホテル・マネジメント。7年前にその会長に抜擢された山本はウィークリーマンションに続き、各地の経営不振に陥ったビジネスホテルの再生に取り掛かった。